兵庫県・西宮市病院統合再編/20年度に設計着手/駐車場棟でPFI検討

行政や学識者らで構成する「兵庫県立西宮病院西宮市立中央病院の統合再編検討懇話会」は26日、第3回会合を開いて統合再編基本計画案をまとめた。新病院の病床数は552床とし、2020年度から基本・実施設計に着手する。21年度内に設計をまとめ、21年度末から22年度初頭に着工し、25年度上期の完成と同年度内の開院を目指す。 新病院は民間病院との連携を強化した高機能な中規模病院を目指し、基本方針として高度急性期・急性期医療の提供▽救急医療体制の充実▽先進医療への対応▽AI(人工知能)・ICTの活用▽医療従事者の育成・研修機能の充実▽災害に強い病院整備▽安定した経営基盤の確立--をあげている。

施設は病院棟と駐車場棟で構成。病院棟は免震構造を採用したS造10階建て程度とし、設計施工分離発注方式で整備する。駐車場棟は4階建てを想定し、400台分の駐車場のほか、利便施設も入る計画で、PFIなど民間資金の活用を検討する。

病床数はこれまで、580床程度としていたが、利用率を90%程度に上昇させることで縮減できると判断し、一般病床544床、精神病床8床の計552床となった。

診療科目は35科。両病院で提供してきた機能を継承しながら、脳神経内科、心臓血管外科、精神科の3科を新設する。

事業費や施設の延べ床面積は今後固めていくが、かつて市が病床数を600床と設定した試算では、概算事業費を382億5000万円、規模を延べ5万5000㎡としていた。

病院の統合は、2014年7月に市立中央病院の単独建て替えを断念した西宮市が県に要望したもの。

建設地はアサヒビール西宮工場跡地(津門大塚町)の一部敷地2万6000㎡。統合後は県立病院となるため、基本計画の策定は県が担当しており、この策定支援業務は野村ヘルスケアが担当している。

基本計画 骨子案の要点

  • 診療科目は、両病院の診療機能を継承する。また、今後の高齢者人口の増加や疾病構造の変化を見据え、「脳神経外科」「心臓血管外科」「精神科」を新設する。
  • 特に、今後患者の増加が見込まれる循環器系、呼吸器系の体制の充実を図る。
  • 病床規模は580床程度とする。
  • 高度急性期・急性期医療を提供し、阪神医療圏域における救命救急センターとしての役割を果たす。
  • 災害医療センターとしての体制を整備する。
  • 地域周産期母子医療センターとしての役割を果たす。

統合再編基本計画