福島県南相馬市は、同市小高区の旧市立小高病院の解体に伴って移転した小高診療所について、同病院跡地に整備する方針を決めた。18日夜、市立病院運営審議会から妥当との答申を受けた。
市は市議会12月定例会に関連予算を提案する。早ければ2021年12月に無床診療所として開業。将来的に19床の有床診療所として入院機能の再開を目指す。
小高病院は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で一時休止を余儀なくされ、国が付属施設や本館の解体工事を進めている。市は8月、病床再編計画に基づき小高診療所として近くの小高保健福祉センターにいったん移転させ、外来診療を続けている。
市が複数の移転候補案を示し、地元の要望を受け病院跡地の活用を選んだ。計画では2000平方メートル以上の用地を確保し、建築面積約400平方メートルの木造平屋を建設する。概算事業費は約3億7200万円。このうち基本設計分などを12月定例会に諮る。
審議会終了後、門馬和夫市長は小高診療所の入院機能再開時期に関し「医師の確保などが厳しく、今言える状況にない」と明言を避けた。小高病院を巡っては、門馬市長の入院機能再開方針に地元から懸念の声が出たほか、反発した前常勤医師が今春退職した。
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