広島 三次市立三次中央病院(350床)は現地建て替えか

市立三次中央病院は290床で現地建て替え
市立三次中央病院は290床で現地建て替え

三次市立三次中央病院(東酒屋町)の建て替えを巡る基本構想検討委員会は2027年11月の開院を目指して現在地で新築するとした市への答申案を固めたことが報道された。

新病院では救急、小児、周産期、緩和ケアを強化

新病院の基本構想では、今ある中核的な病院の機能等をより一層充実していくことにより、備北医療圏また広島県北内の医療施設との連携を強化し、地域包括ケアシステムの基幹病院として、大学病院等の高度急性期医療機関との連携、診療所や福祉施設との連携を強化し、医療提供体制の整備に取り組むとしている。また公立病院として、地域連携・在宅医療・災害医療・感染症対策等 の役割を積極的に担う体制を整備していく。

特に救急、小児、周産期を強化することに加え、地域に回復期機能が不足しており、現時点では他の病院で増加する見込みがないことから、新病院においても地域包括ケア病棟を維持するとしている。

特徴的な点として、緩和ケア体制の充実強化が挙げられる。三次中央病院は、すでにがん診療連携拠点病院に認定されており、医療連携体制を構築している。平成28年(2016) 10月には、緩和ケアセンターを開設し、外来・入院患者の疼痛緩和を含め、全人的な対応を行っている。さらに緩和ケア認定看護師を含む緩和ケアチームによる緩和ケアや、在宅看取りを含む出張緩和ケアを行っている。広島県の緩和ケア病棟は県南の医療施設に集中しており、備北医療圏のみならず県北にはない状況であるため、新病院では、緩和ケア体制の強化(緩和ケア病棟20床程度)を図る。

新病院の病床規模は290床程度か

新病院では、新病院の病床数は 290 床程度を基本とし、今後の検討の中で緩和ケア病棟の適正な病床数を含めたより一層の議論を進め、基本計画の中で病床数を決定するとしている。

【計算式】
( 175人 : 80% ) + 12床 + 20床 + 39 床= 289.75 ⇒ 290 床

  1. 令和12 年(2030)における1日あたり入院患者数見込み…175 人
  2. 新病院開院後における病床稼働率の設定 … 80%
  3. 救急告示病床…12床
  4. 新たに整備する緩和ケア病棟…20床程度
  5. 増加する高度急性期機能… 39床

建築の概算事業費は162億円と試算

基本構想検討段階では、現地または別敷地での建て替え、病床規模を350床・300床・250床で事業費(設計・監理、工事)を試算している(ヘリポート整備費込み)。試算表によると、現地建て替え・300床規模の事業費(病院本体・外構・解体)は162億円と試算されている。これに医療機器費用、情報システム費用等が加わるため、200億円程度の事業規模となる予想。

項目350床案300床案250床案
延床面積29,750㎡25,500㎡21,250㎡
設計監理料738668598
建築工事費17,87415,54413,215
総計18,61116,21213,814
現地建て替え案/単位:百万円

病床あたり面積は85㎡(床)、建築単価は50万円/㎡(税抜き)で設定している。

市立三次中央病院 概要

名称市立三次中央病院
所在地〒728-8502  広島県三次市東酒屋町10531番地
TEL 0824-65-0101  FAX 0824-65-0150
http://www.miyoshi-central-hospital.jp/
開設者三次市長 
病院長永澤 昌
開設年月日昭和26年3月28日
許可病床数一般病床   350 床
平均患者数外来  683名
入院  271名
敷地面積63,528.51平方メートル
建物延べ面積22,851.15平方メートル

出所:中國新聞市立三次中央病院建替基本構想検討委員会