建て替えや再整備必要 昭和伊南病院の将来像

昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の目指すべき将来像を検討してきた「あり方検討委員会」(埴原秋児委員長)は18日、新病院の建設検討や医療体制の充実などを求める提言書を、病院を運営する伊南行政組合に提出した。組合は今後、提言書の趣旨を尊重し、具体的な取り組みを示す基本構想案を作成する。

病院は、1983年に開設した病棟の老朽化や人口減少・少子高齢化に伴う医療需要の変化への対応などの課題を抱える。伊南4市町村の住民代表や医療関係者、有識者ら23人を委員とする検討委は、組合からの委嘱を受け、昨年12月から今年8月にかけて勉強会や視察研修を含む8回の会合を開催。病院のあるべき姿を議論してきた。

提言書では、「現在の医療を守りつつ今後の多様化するニーズに継続して対応するためには建て替えを伴う再整備が必要である」とし、新病院建設の検討を進めるよう要望。その上で、利用者、医療従事者、経営、公益性・公共性のそれぞれの視点から、患者へのサービス向上や医療の充実を図る施設整備の検討を促した。

また、伊南地域の中核病院として、▽24時間対応の救急医療体制の継続と外傷患者や小児患者らへの救急対応の充実▽地域包括支援センターや医療機関と協力して取り組む医療・介護の連携▽生活習慣病予防についての情報提供や啓発活動といった地域住民の健康づくりを支援する体制強化―などを推進するよう盛り込んだ。

提言書を受け取った伊南行政組合長の杉本幸治・駒ケ根市長は「伊南地域にとって昭和伊南総合病院は必要な存在。提言を大事にし、具体化に向けて取り組みたい」と述べた。

http://www.nagano-np.co.jp/articles/55418