新潟県は、急性期機能のさらなる集約化と一層の機能分化・連携を図るため、県立燕労災病院、厚生連三条総合病院の再編統合に加え、済生会三条病院、県立吉田病院、県立加茂病院の急性期機能を集約により、急性期医療を担う中核病院と地域密着病院に機能を再編し、中核病院としての病床規模400床の県央基幹病院を整備する。また、より高次の救急医療、高度・専門医療については隣接医療圏(新潟、中越)との連携を構築していく。
指定管理者は済生会
令和5年度開院予定の県央基幹病院について、県央基幹病院指定管理者審査委員会の審査結果を踏まえて、指定管理者の候補者として、「社会福祉法人恩賜財団済生会支部新潟県済生会」を選定した。
選定の理由
- 指定管理者の適性:済生会新潟病院の運営実績やノウハウがあること
- 医療機能等 :県央基幹病院が果たすべき「断らない救急」等の役割・人材育成・体制等について、地域医療構想調整会議等の議論を踏まえた提案となっていること
- 管理運営体制等 :患者満足度の向上や ICT の活用、情報共有が円滑に進む組織体制を構築するなどの提案となっていること
- 収支計画等 :全国グループとしてのスケールメリットを活かした効率的な運営が可能であること
付帯意見
審査委員会は、県央基幹病院の管理運営をより良いものとしていけるよう、指定管理者候補者及び県に対して、以下のとおり付帯意見を申し添えた。
- 年間 5,000 台程度の救急搬送を受け入れるため、ER 救急体制の構築など具体的な方策を決めて取り組んでいくこと。
- 看護師の確保、特に救急医療人材確保のための育成について、具体的な方策を決めて取り組んでいくこと。
指定管理期間は、新潟県立県央基幹病院の供用開始日から同日の属する年度の末日までの期間に20年間を加えた期間
基幹病院の機能
① 救命救急医療及び高度・専門的医療の中核的機能
- 救命救急センター(ER型救急医療)として、高度・専門的な医療機能を整備する。(地域がん診療病院、心疾患医療・脳疾患医療の確保、外傷センター的機能、急性期リハビリの充実)
- 圏域の他の医療機関と役割分担・連携を図りながら、必要な診療機能の確保を図る。(低出生体重児の出産等に一定程度対応できる産婦人科医療、人工透析医療の確保、精神疾患患者の身体合併症へ対応)
② 地域医療支援の拠点的機能
- 地域医療を行う医療機関に対する支援機能を担う地域医療支援病院を目指す。
- 既存病院の専門外来等の支援や医師派遣システムの構築を目指す。
- 地域医療連携ネットワークなどの地域での診療情報等の共有化の仕組みづくりに取り組む。
- 精密検査、疾病予防、在宅医療に関する後方支援機能を担う。
③ 人材の育成・教育機能
- ○ 研修医・専門医の確保・育成(基幹病院を核とする既存病院の特色を活かした臨床研修病院群の形成、地域の医療機関と連携した医師の育成)
- ○ 看護職員・コメディカルスタッフのキャリア形成支援(新潟大学、魚沼基幹病院との教育・研修の連携、パートナーシップ・ナーシングシステム)
- ○ 地域医療人材の育成(地元養成校との連携、薬科系大学との連携)
④ 災害時医療の拠点的機能
- 地域災害拠点病院として、災害時医療の拠点的機能を担う。
基幹病院の施設規模等
診療科
以下の22科程度を基本に検討する。※他の救命救急センター設置病院を参考
内科(循環器、消化器、呼吸器、内分泌・代謝、腎・膠原病)、神経内科、精神科、小児科、
外科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、
産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科(診断・治療)、救急科、リハビリテーション科、
麻酔科、歯科口腔外科、病理診断科、総合診療科
※総合診療科(院内標榜)も診療科数に含んでいる。
※内科等の診療科目については、今後さらに検討していく。
病床数等
○ 病 床 数 450床(一般病床446床、感染症病床4床)
※うち救命救急センター20床
○ 建物面積 33,000㎡程度
○ 建 設 地 三条市上須頃地内
○ 用地面積 43,000㎡程度(うち緑地及び調整池9,000㎡程度)
建設地
三条市上須頃地内
その他メモ
- 18~23年度までの5カ年の継続費220億円を計上
- 建築本体工事は112億600万円で清水建設・新発田建設・栗田工務店JV
- 電気設備工事はユアテック・八重電業社・大方電機JV
- 空調設備工事はダイダン・NNCエンジニアリング・日新工業JV
- 衛生設備工事は菱機工業・大洋工業・カサイJV
- 実施設計は佐藤総合計画・基設計JV
参考資料:新潟県「県央基幹病院整備基本計画」(平成 28 年7月)
新潟県福祉保健部「県央基幹病院の基本設計概要」(平成30年2月)
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