東京都は、平成29年11月に策定した「広尾病院整備基本構想」を具体化するため、施設整備にかかる課題や条件を整理し、事業実施のための設計等の指針となる「広尾病院整備基本計画」を策定した。対象施設は、広尾病院、職員宿舎等の付帯施設及び広尾看護専門学校の3施設。
新病院では、災害医療機能の強化、日常診療体制・機能の重点化、地域医療への更なる貢献、持続可能な病院運営の実現の4つの視点で計画策定が進められた。
整備地及び建物配置として、広尾病院及び広尾看護専門学校は、いずれも現在の敷地内で整備される。また、整備規模としては、広尾病院の病床規模は400床程度、地下1階から地上9階で屋上にはヘリポートを設け、延べ床面積42,000㎡程度。
広尾看護専門学校は定員240名程度、延床面積7,500 ㎡程度を想定している。
職員宿舎は保育施設・患者家族の宿泊施設の機能を持ち、地上4階建てのうち、1階は一部保育施設及び駐車場(ピロティ式)を想定している。
病院建物は免震構造、職員宿舎等及び広尾看護専門学校は耐震構造として整備する。
工事期間中の特徴的な取り組みとして、災害拠点機能の維持を掲げており、工事手順ごとに災害発生時の初動対応等を検討している。具体策として、他の災害拠点病院と実践的な災害時オペレーションを確立していくとともに、地元医師会や行政機関等と共に日常的な減災対策を推進し、周辺機関との連携・協働関係を深め、災害発生時の相互補完体制を一層強化することで工事期間中の基幹災害拠点機能を維持するものとしている。
整備手法の検討として、立地上の制約等の与条件や施工の難易度を評価したうえで、施工者技術の反映、整備スケジュール、建設事業費などの観点から、設計施工分離発注方式(従来方式)とPFI方式を検討している。
従来方式又はPFI方式をとる場合のそれぞれのメリットと本整備の特徴を踏まえると、現時点では、PFI方式がより適しているとし、今後、PFI方式を採用する場合に包括発注に含める業務の範囲や、VFMの算定など、より詳細な検討を行ったうえで、採用する整備手法を決定する予定。
新病棟の完成は既存敷地内を使った段階的整備となるため長期化するが、2023年に手術室等の第1期がオープン、2031年には病棟・外来を含めたグランドオープン、その後、専門学校、宿舎を段階的に整備していく予定となっている。
工事費合計は約377.6億円、うち病院分は約343.9億円としている。
但しこれには以下の費用は含まれていないため、総事業費は上乗せとなる。
・地中障害物撤去費
・既存杭撤去費
・整備期間中の既存建物等修繕費
・医療機器等購入費
・医療情報システム整備費
・引越・移設費用
・埋蔵文化財発掘等調査費用
・各種申請・手続き費用等
別紙3 広尾病院整備基本計画(案)に対する意見と都の考え方(PDF:254KB)
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