東濃中部地域新病院建設 基本構想 400床規模

東濃中部地域新病院建設基本構想・基本計画

岐阜県土岐市、瑞浪市で組織する東濃中部病院事務組合は、土岐市肥田町に建設する新病院の基本構想素案を公表した。2022年度から23年度にかけて基本設計・実施設計、23年度から24年度にかけて建設工事を進め、25年度に開院するスケジュールを提示している。

東濃中部地域新病院が目指す姿

(1)良質で安心安全な医療の提供
(2)救急医療、へき地医療、在宅医療、予防医療、医療連携体制の推進
(3)大規模災害発生時における地域の中核病院としての診療機能の維持
(4)新興感染症拡大時における速やかに感染症患者を受け入れる体制整備
(5)医学研究、教育に対する大学病院との連携の推進
(6)職員育成・人材確保の推進
(7)働きやすい職場環境の推進
(8)健全経営に基づく先進的な機器・情報システム等の導入

東濃中部病院事務組合 土岐市肥田町に建設する新病院の基本構想素案
東濃中部病院事務組合 土岐市肥田町に建設する新病院の基本構想素案

東濃中部地域新病院が提供する医療機能(案)

医師採用の状況に応じ、新病院では診療機能のセンター化を図り、それぞれの分野ごとに以下の方針の下での役割を果たすとしている。

(1)がん診療への対応

  • 消化器内科、消化器外科合同による消化器病センターを設置し、消化器がんに関する診断、内科的・外科的治療、化学療法、放射線治療
  • 乳腺外科の開設に努め、乳がん患者の治療
  • 呼吸器疾患、婦人科疾患、泌尿器科疾患、頭頚部疾患におけるがん治療については医師採用(確保)状況に応じて対応し、大学附属病院等の高度医療機関と連携して術前後の化学療法、放射線治療等
  • 緩和ケア病床を整備し、チーム医療による専門的な医療を提供
  • がんリハビリテーション、緩和ケア
  • ゲノム解析を行い、患者さんの遺伝子情報に基づく最適治療

(2)脳卒中への対応

  • 神経内科・脳神経外科合同による脳卒中センターを設置し、東濃圏域全体の脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)等の急性期医療に対応
  • 地域医療機関ならびに行政、消防との連携及びネットワークの構築を進め、速やかな治療が行えるシステムを構築
  • リハビリテーション専門医の採用に努め、回復期を含めたリハビリの強化
  • 地域住民に脳卒中に対する啓発

(3)急性心筋梗塞・心不全への対応

  • 循環器科による心臓病センターを設置し、虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症、虚血性心不全)等の急性期医療等に対応
  • 急性心筋梗塞のカテーテル治療、心不全急性増悪等の治療
  • 脳卒中への対応と同様に関連機関とのネットワーク化により速やかな治療が行えるシステムを構築
  • 心不全療養指導士、心臓リハビリテーション指導士等を含めチーム医療を展開

(4)糖尿病をはじめとする内分泌・代謝疾患への対応

  • 糖尿病センターを設置し、東濃圏域全体の糖尿病患者の管理、コントロール
  • 腎臓内科、循環器内科、血管外科等と連携し早期に合併症の予防やコントロール
  • 糖尿病療養指導士、フットケア指導士等とのチーム医療により、外来管理、栄養指導、教育入院の充実
  • 行政、医師会と連携し、糖尿病治療の啓発に努めるとともに、地域の開業医との情報共有による圏域の糖尿病患者のデータベースを作成し、センターとして全体の管理
  • データベースを基に大学と連携し疫学的なリサーチ

(5)精神疾患への対応

  • 外来診療に対応し、入院診療は近隣の精神病院と連携し対応
  • 小児科における発達障害診療と連携し、継続的な治療

(6)救急医療への対応

  • 東濃中部圏域唯一の二次救急医療機関として、小児を含む二次救急患者の受け入れ
  • 脳梗塞超急性期の患者については東濃圏域全体からの受け入れ
  • 外科的緊急手術患者は遅滞なく対応

(7)災害医療への対応

  • 医療拠点だけではなく、避難拠点としての役割
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)を整備し、局地災害に対し医療チームの派遣
  • 行政、保健所、医師会等とのスムーズな連携、事業継続計画(BCP)の策定及び訓練

(8)へき地医療への対応

  • 山間地域が多い地理的環境、かかりつけ医の高齢化等に伴う医療環境の弱体化を鑑み、遠隔診療・AI問診等を取り入れたへき地医療の実施
  • 医師の採用に努め、へき地診療所へ医師を派遣し、地域医療に貢献
  • 巡回診療車を活用し、医療資源が乏しい地区への巡回診療

(9)周産期医療への対応

  • 東濃中部圏域で分娩を行える施設がないことから、産科の早期開設
  • 新生児医療も伴うため、当面は通常分娩のみを対象とし、大学医局に対して当直医師を含めた産科医の派遣を求め、併せて小児科医、麻酔科医、泌尿器科医の充実

(10)小児医療への対応

  • 小児の急性期医療の入院機能の充実
  • 東濃圏域全体の発達障害児に対する専門的かつ継続的な医療を提供し、精神科との連携及びリハビリテーションの充実
  • 学校等の教育機関と連携し、小児の発達や健康増進に対し家庭を含めて定期的なアドバイス、チェックを行えるシステムを構築

(11)新興感染症等の感染拡大時への対応

  • 感染症への対応が可能となる感染症外来を整備
  • 感染症拡大時に入院受け入れが可能な病床を整備

(12)在宅医療への対応

  • 在宅医療に係る機関との円滑な連携を図り、切れ目のない継続的な医療体制を確保
  • 両病院で実施している訪問看護ステーションを引き継ぎ、24時間対応の訪問看護を提供
  • 在宅で療養されている患者さんが、緊急時にスムーズに受診・入院ができる体制をかかりつけ医との間で整備

(13)予防医療への対応

  • 健康管理センターを併設し、がん等の早期発見、予防医療
  • 行政や事業所(企業)等と連携し、若年層から高齢者までの生活習慣病対策や健康づくり事業
  • 企業健診から住民健診まで幅広い受診者を受け入れる施設健診(人間ドック)
  • 巡回検診車を活用した市町村・企業健診

(14)その他の診療センター

  • 運動器センター、人工透析センター、リハビリテーションセンターならびに外来化学療法センター、救急医療センター等を設置し、他診療科や各部門と協力の下で患者さん中心の医療を提供
  • 地域医療連携室、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等をセンター化し、かかりつけ医、訪問診療医、介護事業所等との連携をよりスムーズに実施

(15)付帯事業・その他

  • 訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所を設置
  • 病児・病後児保育所の設置を検討
  • アメニティー施設を民間活力の導入も視野に入れて整備
  • 施設の構成及びその他の付帯施設及び整備手法は基本計画で検討
  • 調剤薬局は敷地内または近傍に誘致
  • 利用者の足の便を確保するためのコミュニティバス等についても実現に向けて関係機関と調整

施設整備の基本方針

建設予定地

  • 建設予定地は土岐市肥田町浅野の土岐市有地の平場部分約5ha であり、土岐市駅の東南方面約2㎞の丘陵地に位置
  • 最寄りの幹線道路は東へ約 600mの県道 69 号だが、新病院開院予定の 2025 年(令和7年)までには肥田浅野朝日町交差点から梅の木公園方面に至る道路が延伸され、建設予定地を経て肥田受水地付近で肥田下石線(県道 392 号)と結ばれる予定

病床数及び施設規模

  • 400 床程度を目安に、基本計画において新病院の集患可能性を精査して検討
  • 病棟は高度急性期病床・急性期病床・回復期病床で構成する予定
  • 病院施設の規模は、他公立病院の1床あたり面積を参考に、基本計画において各部門の適正面積や部門配置計画等を精査して検討
同規模公立病院の1床あたり面積
※子ども病院・がん病院・精神科病院等の専門病院ならびに病棟のみの新増築は除きます。※当該規模の病院には高度急性期病床と急性期病床のみで構成される県立病院等の広域圏基幹病院が含まれ、手術室や放射線治療室等が多い影響を受けて300床規模の病院に比べて1床当たり面積が広くなっています。東濃中部地域新病院は回復期病床等を含むため、上グラフの1床あたり面積ほどは必要ないと推測されます。

整備スケジュール

2025 年(令和7年)の開院を目指して次の整備スケジュール案で整備を進める予定

2022年度以降に基本設計・実施設計を行い、2023年度以降に用地造成等を開始、同時に建築工事も始め、2025年度上旬に開院。

継続検討事項(意見等)

  • 土岐医師会が運営している老健施設は医療院への移行を検討中だが、土岐市立総合病院にも同じ施設があり、病院統合の際に1か所に集約・統合する必要性
  • 老健施設のあり方については、土岐市と土岐医師会で協議し、新病院との関連性を考え検討を進める
  • 介護施設も整備するなら回復期の次があるため、病床規模は350 床で良いのではないか
  • 歯科口腔外科の設置や入院患者の歯科治療の情報を新病院の歯科と歯科医師会が情報共有してフォローする等の連携
  • 敷地内薬局には地元の薬剤師会に加入すること
  • 放射線治療医師が不足しており、放射線治療については他の方法でできるところまでやればよいのではないか
  • 建設予定地の近隣で太陽光メガソーラーを 3.4ha 開発する計画があり、新病院建設予定地を合わせて 11ha の山林が開発されることになり、土砂災害等を不安視する住民もいるので配慮が必要

2病院の概要

東濃厚生病院

  • 許可病床数…270床(稼働病床数270床)
  • 標榜診療科…内科、循環器内科、神経内科、小児科外科、皮膚科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科脳神経外科、アレルギー科、病理診断科、消化器内、血管外科(19診療科)
  • 関連施設…訪問看護ステーション居宅介護支援事業所
JA岐阜厚生連|東濃厚生病院

土岐市立総合病院

  • 許可病床数…350床(稼働病床数225床)
     急性期一般入院料1:150床
     地域包括ケア病棟入院料2:60床
  • 標榜診療科…内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、血液内科、腎臓内科、リウマチ・アレルギー科、小児科外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、精神科(24診療科)
  • 関連施設…訪問看護ステーション老人保健施設(定員;一般60名、認知症40名、通所リハビリテーション25名)
東濃中部医療センター 土岐市立総合病院

出所:「第1回東濃中部地域新病院建設基本構想・基本計画策定委員会」資料 「東濃中部地域新病院建設基本構想 素案」より

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