開院から40年近く経過し、施設の老朽化・狭あい化が課題となっていた済生会横浜市南部病院は、旧資源循環局港南工場跡地を移転先として、再整備を実施する。横浜市は市有地の無償貸与、設計・工事管理費の1/2、建設費の1/10を支援する。
済生会横浜市南部病院は、横浜市が民間による建設・運営を基本とした高度な医療機能を有する「地域中核病院」の第1号として、社会福祉法人恩賜財団済生会による運営のもと、昭和58年開院。
新病院の機能
新病院では、救急やがん、周産期等の強化のほか、35%以上の個室率、ICUの増床、再生可能エネルギーとして太陽光や地中熱の導入を検討する。
- 救急…市内上位の救急車受入を担う救急の一層の円滑化を図ります
- がん…薬物療法を拡充することなどがん診療の充実を図ります
- 周産期…小児救急拠点病院、産科拠点病院などの役割を引き続き担います
- 災害…災害に強い施設設備により「災害拠点病院」機能を強化します
- 感染症…感染対策エリアの設置など新興感染症に備えた施設とします
- 地域連携…「総合患者支援センター」を強化します
- 人材育成…教育・研修機能の充実を目指します
新病院は420床規模
施設規模は、機能拡充等のために必要な規模を確保したうえで、医療技術の進歩等による在院日数の短縮化や地域の医療・介護等機関との連携推進もふまえて計画するとしている。
病床数は現在の500床から80床減の420床としている。
- 病 床 数…420床
- 診療科数…31科
- 敷地面積…約40,000m
- 延床面積…約36,000~38,000m(1床あたり約90㎡)
新病院の建設予定地は南へ1.2㎞移動
新病院は、現在の病院から南へ約1.2㎞ほどの旧資源循環局港南工場跡地(横浜市港南区港南台八丁目4番2)。
新病院のイメージ
新病院は、斜面を利用することもあり、地下2階~地上4階建て。
新病院は令和10年に開院予定
新病院はすでに設計が始まっており、令和5年度中に旧港南工場の解体、令和10年の開院を目指している。
これまでの経緯
平成25年3月 | 「よこはま保健医療プラン2013」策定・南部病院老朽化等について記載 |
平成26年7月~ | 横浜市と済生会の間での協議(候補地や支援策等) |
令和元年5月 | 横浜市会 常任委員会に旧港南工場を「最有力候補地」とすることを報告 |
〃6月 | 港南区 連合町内会長連絡協議会(以下「区連会」)に報告 |
令和2年1月 | 港南区区連会に 旧港南工場を「移転地に決定」することを報告 |
〃3月 | 市会 常任委員会に報告 横浜市と済生会で南部病院の再整備に関する基本協定書を締結 |
令和3年9月 | 南部病院が新病院の「基本計画」を策定 |
〃12月 | 基本計画を港南区区連会に報告 市会 常任委員会に報告 |
令和4年2月~ | 南部病院が「基本設計」を開始 |
既存病院 概要
併設施設として、訪問看護ステーション、横浜市の指定管理事業である地域ケアプラザ(地域包括支援センター、居宅介護支援事業、デイケアサービス、地域交流事業)がある。
病床数 | 500床 |
外来患者数 | 1,000人/日 |
敷地面積 | 14,456m |
延床面積 | 29,420m |
主な医療機能 | 二次救急拠点病院、小児救急拠点病院、産科拠点病院 神奈川県がん診療連携指定病院 地域医療支援病院、災害拠点病院 |
診療科 | 総合内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓高血圧内科、糖尿病・内分泌内科神経内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、循環器内科、精神科、小児科・新生児内科、外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科 リハビリテーション科、放射線科、形成外科、救急診療科、歯科口腔外科、麻酔科、病理診断科、緩和医療科、臨床検査科、IVR科 |
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