大阪府茨木市は、将来の人口及び患者数の動向、医療提供体制、5疾病4事業等への対応状況、受療動向等を踏まえ、将来にわたり市民の医療ニーズに対応できる環境を確保・維持するため、令和4年3月に策定した「茨木市誘致病院に係る基本整備構想」で定める基本理念及び整備方針等や意見書を踏まえ、茨木市に必要な医療機能を継続的に担う意欲を持った優秀な公的病院または民間病院をプロポーザル方式により選定する公告を行った。
参加資格は現に医療施設を経営している医療法人等であること。また、茨木市の現状以上の医療提供体制を確保するため、令和4年6月1日現在、茨木市を除く三島二次医療圏において許可病床数200床以上の病床を有していること。複数の医療法人等が共同で応募することも可能としている。
開院目標として、令和11年度末までに開院することとしている。
所在地等
項目 | 内容 |
所在 | 大阪府茨木市双葉町 487-1 大阪府茨木市双葉町 487-8 (現市営駐輪場・駐車場) |
敷地面積 | 約 5,776 ㎡(敷地設定未確定) ※道路計画等により変更の可能性あり |
用途地域 | 防火地域、商業地域 |
建蔽率 | 80% |
容積率 | 400% |
高さ制限 | 第7種高度地区(31m以下) |
最大可能延床面積 | 23,104 ㎡ |
前面道路幅員 | 市道双葉町主原線 8.5m(一方通行)市道双葉町7号線 5.50~5.58m 市道双葉町9号線 4.0~5.0m(一方通行) |
その他 | 本市のハザードマップでは、安威川等の外水氾濫(洪水)による浸水リスク 0.5~3.0mのエリアにある |
必要な規模(病床数)
- 必要な規模(病床数)については、以下の3点を基本的な考え方として、事業者の実施可能な規模を提案書に記載すること。
- ① 地域医療支援病院の承認基準及び「医療機能」を満たす規模とし、許可病床数200床以上とすること。
- ② 回復期リハビリテーション病棟(病床)もしくは地域包括ケア病棟(病床)を運営すること。
- ③ 上記①のうち、小児科専用の病床を10床以上設けること。
誘致病院に求められる医療機能
① 診療科
- <必須要件>内科、外科、整形外科、小児科等を中心に、総合的病院としての機能を有すること。
- <提案内容>診療科の構成、内容、各科の診療機能等について提案書に記載すること。
② 救急医療への対応
- <必須要件>二次救急診療機能(内科・外科・小児科)を有し、救急病院としての告示を受けること。
- <提案内容>救急診療機能の診療範囲、体制等について提案書に記載すること。
③ 小児救急医療を含む小児医療への対応
- <必須要件>小児科の入院医療体制を確保し、夜間帯の小児患者の受け入れに対応すること。
- <提案内容>小児患者への診療範囲(救急外来の対応範囲、時間、曜日等を含む)、体制等について提案書に記載すること。
④ 脳血管疾患・心血管疾患への対応
- <必須要件>脳血管疾患・心血管疾患への検査機能を有すること。
- <提案内容>脳卒中や心筋梗塞等への診療範囲、体制等について提案書に記載すること。
⑤ 地域医療機関との連携対応
- <必須要件>地域医療連携室を設置するなど、地域の診療所等と連携を密にし、医療サービスの向上に努めること。
- <提案内容>地域医療機関との連携の考え方、取り組み方法、地域医療支援病院取得のための方法、紹介率・逆紹介率の確保策等について提案書に記載すること。
⑥ 感染症への対応
- <必須要件>感染症対応を考慮した施設整備を行い、感染症に対応できる医療スタッフの確保・育成を行うこと。
- <提案内容>対応範囲、施設整備内容等について提案書に記載すること。
⑦ 災害医療への対応
- <必須要件>地震や洪水などの大規模災害時等において、地域の医療救助活動の拠点として災害拠点病院との連携により、入院医療が必要な患者を積極的に受け入れること。
- <提案内容>災害医療への対応範囲、体制等について提案書に記載すること。
⑧ 外来医療支援対応
- <提案内容>市内には、外来診療を行う診療所が比較的少ない地域があり、外来受診の移動負担も懸念される。地域医療支援病院として、周辺病院とも連携して、これらに対応できる、外来医療を支援する体制について提案書に記載すること。
土地の貸付等
- 土地の貸付について…敷地は、借地借家法(平成3年法律第90号)第23条に基づく事業用定期借地権を設定し、貸し付ける。
- 貸付期間…貸付期間は土地賃貸借の契約日より30年以上50年未満の応募提案による期間(対象敷地の埋蔵物調査期間、建物の建築期間及び撤去工事期間等を含む。)とする。
- 貸付対象面積…敷地は全面積利用とし、部分利用は認めない。なお、敷地面積については、道路計画等により変更の可能性がある。
- 予定貸付料は、鑑定機関による調査報告書に基づき算出した額とする。(参考価格)9,232,000円/月
応募スケジュール
項目 | 時期 |
募集要項の公表・配布 | 令和4年7月26日(火) |
プロポーザル参加申請書の提出(様式1)共同事業体届出書兼委任状(様式2)※誓約書(様式3) 資格確認書類(様式4) 〔一次審査〕 | 令和4年8月2日(火) |
質問書の提出(様式5) | 令和4年8月4日(木) |
質問への回答 | 令和4年8月16日(火) |
応募書類の提出(様式6、様式7) 〔辞退届(様式8)〕 | 令和4年9月5日(月) |
提案に関するプレゼンテーション 〔二次審査〕 | 令和4年9月下旬から10月上旬 |
候補者の公表及び通知 | 令和4年10月上旬 |
茨木市誘致病院に係る基本整備構想(抜粋)
病院誘致の背景
- 本市では入院、外来ともに将来の推計患者数は増加し、特に循環器系の疾患や呼吸器系の疾患等にかかる医療需要が増大する見込み
- 三島二次医療圏を構成する各市町の医療供給の状況は、高度急性期、重症度の高い患者に対応する急性期の機能を有する病床が偏在しており、本市は少ない状況
- 高度医療までは要しないものの、比較的重症度の高い患者に対応する急性期の機能を有し、本市及び周辺市において医療連携体制の充実を中核となって目指す医療機関の確保が課題
- 以前から小児救急医療の充実や、救急病院の市内誘致を望む市民からの声もあり、小児医療や救急医療に対応する医療機関の確保、充実が課題
- 将来の人口及び患者数の動向、医療提供体制、5疾病4事業等への対応状況、受療動向等を踏まえ、将来にわたり市民の医療ニーズに対応できる環境を確保・維持することが求められる
地域医療構想における必要病床数
- 急性期機能は必要数を満たしていますが、高度急性期機能、回復期機能、慢性期機能は不足する見込み
- 三島二次医療圏と本市の病床機能区分ごとの病床数の構成比率をみると、急性期機能、慢性期機能が占める比率が高く、高度急性期機能、回復期機 能が占める比率が低い
- 本市では高槻市と比べ、重症度の高い患者に対応する看護配置7対1以上の特定機能病院入院基本料、急性期一般入院料1の届出病床数が少ない状況
区分 | 年度 | 高度急性期 | 急性期 | 回復期 | 慢性期 | 休棟中 | 合計 |
①病床機能報告 | 2020 | 861 | 2,971 | 1,038 | 1,428 | 145 | 6,443 |
2020 | 13.4% | 46.1% | 16.1% | 22.2% | 2.3% | 100.0% | |
うち、茨木市 | 2020 | 2 | 1,101 | 337 | 787 | 5 | 2,232 |
2020 | 0.1% | 49.3% | 15.1% | 35.3% | 0.2% | 100.0% | |
②病床数の必要量 | 2025 | 956 | 2,961 | 2,786 | 2,410 | 9,113 | |
2025 | 10.5% | 32.5% | 30.6% | 26.4% | 100.0% | ||
①-② | △ 95 | 10 | △ 1,748 | △ 982 | △ 2,670 |
施設整備方針 立地特性
- 候補地は阪急京都線茨木市駅の東側にあり、駅に近接、現在は市営駐輪場・駐車場として利用
- 敷地の起伏状況としては、ほぼ平坦、敷地周辺の状況としては、敷地北西角が市道双葉町主原線、北側が双葉町7号線、南側が双葉町9号線に面しており、西側と東側は隣地
- 敷地面積は約5,776㎡であり、一定の広さ、病院利用を想定した場合、駐車場等を確保するためには十分とは言えず、立体的な土地利用を考慮する必要
- 用途地域は商業地域で容積率は400%であり、最大可能容積として 23,104㎡程度が期待、第7種高度地区となっているため31m以下の高さとする必要
- 敷地は、本市のハザードマップによると安威川等の外水氾濫(洪水)により0.5~3.0mの洪水浸水想定区域に該当
想定される誘致病院整備スケジュール
- 基本計画策定 :令和4(2022)年度下期~令和5(2023)年度上期
- 基本設計・実施設計:令和5(2023)年度下期~令和7(2025)年度上期
- 施工 :令和8(2026)年度~令和9(2027)年度
- 開院予定 :令和10(2028)年度~令和11(2029)年度
基本整備構想への意見
茨木市病院誘致あり方検討委員会からは以下の意見が出されている。
・地域医療支援病院として、病診・病病連携だけでなく、医科歯科連携、薬薬連携、 医療・介護福祉連携に対応した地域連携機能の充実を求めたい。また、地域住民の 啓発活動等にも積極的に取り組んでいただきたい。
- 求められる医療を継続できるように、医師不足・看護師不足が生じないように取り組んでいただきたい。
- 小児医療について、診療科として継続できるように、ニーズと現実の医療提供体制 のバランスを考慮することが必要である。また、小児医療は採算を維持することが簡単ではなく、公的な補助等も検討されたい。
- 新興・再興感染症については、中等症患者の入院までは対応できる病院、または対 応できるような機能を有し、感染症対応を考慮した施設整備を検討されたい。
- 災害医療については、災害医療協力病院として、入院医療が必要な患者を積極的に受け入れ、災害拠点病院までの繋ぎや転院、圏域外搬送も担える機能を有するよう検討されたい。
- 病院誘致候補地は、市のハザードマップ上で浸水想定区域内にあることを十分配慮しつつも、特定のリスクに偏ることなく、地震等の他の災害リスクにも配慮し、バランスのとれた施設計画を検討されたい。
- 病院誘致候補地は、現在、市営駐車場・駐輪場として利用されているため、代替駐 輪場の確保をするなど検討されたい。また、周辺の道路網に脆弱さがあるため、道路交通の支障をきたさないよう整備を検討されたい。
- 周辺の医療環境や地域の高齢者、子育て世代の暮らし方に対する影響も総合的に考えていく必要がある。病院誘致検討事業と都市計画マスタープランや立地適正化計 画との整合を図り、関連部署と連携して市としての将来像を幅広く検討されたい。
- 病院が誘致された後にどのような役割や機能が果たされているか、誘致による影響の評価を行う方法を検討されたい。
出所:茨木市「茨木市誘致病院事業者候補者公募型プロポーザルの実施について」(更新日:2022年07月26日)、「茨木市誘致病院に係る基本整備構想について」(更新日:2022年03月28日)、「茨木市病院誘致あり方検討委員会について」
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