神戸市 新西市民病院は鉄人28号!

新西市民病院再整備基本方針 新病院のイメージ
新西市民病院再整備基本方針 新病院のイメージ

神戸市では、建物の老朽化・狭あい化が進む神戸市立医療センター西市民病院について、移転新築による再整備に向けた取り組みを進めており、令和3年6月4日に「新西市民病院整備基本方針(案)」を公表した後、基本方針(案)に対するパブリックコメントを実施し、市民の意見を反映した「新西市民病院整備基本方針」(PDF:2,240KB)を策定した。

神戸市立医療センター西市民病院の将来構想は移転・新築

  • 神戸市立医療センター西市民病院(以下「西市民病院」という。)は、昭和45年1月に現在の位置に開院
  • 施設の増改築等を繰り返しながら地域の医療需要を踏まえた対応を実施してきたが、今後の医療技術の進歩等への対応においては施設が狭あい化
  • 一部の建物では竣工から約30年が経過するなど施設の老朽化も課題
  • 今後、人口減少や高齢化の進展及び外国人数の増加等が予測される中で、西市民病院が市街地西部(兵庫区・長田区・須磨区本区)の中核病院としての役割を担っていく方向性を示す
  • 学識経験者、医療関係者、市民病院関係 者、地元関係者等の委員による「西市民病院(市街地西部の中核 病院)のあり方検討に係る有識者会議」を開催した結果、移転新築による再整備が望ましいとの意見
新病院は公園と一体的に整備する新しいタイプの市民病院

既存病院概要

  • 所在地:神戸市長田区一番町2丁目4番地
    • 敷地面積:7,244㎡
    • 延床面積:28,813㎡
    • 病床数:358床(うち救急9床、HCU7床、身体合併4床、未熟児2床)
    • 診療科目:27診療科

施設の状況と課題

  • 西市民病院は、阪神・淡路大震災前から施設の増改築等を繰り返しながら、地域の医療需要を踏まえた対応を実施
  • 特に手術室や救急外来等の主要な機能がある北館は築29年を迎え、配管設備を中心に老朽化
  • 近年の医療の高度化・複雑化への対応のため、建物の増改築や職員の増員を進めてきたが、敷地内に建物を増築する空地がなく、容積率もほぼ上限に達し、延床面積の確保が困難
  • 診療に必要な高度医療機器等を導入するスペースもなく、政策的医療(救急、小児・周産期、感染症・災害)を含めた医療ニーズへの対応が困難な状況にあり、災害時や感染症対応時などの機能確保にも課題

新病院コンセプト

  • ①救急医療、感染症・災害医療の強化
    • 神戸市全体の3次救急を補完するため、市街地西部において、より高度な急性期医療を提供するとともに、新興感染症・災害対応の機能を強化。
  • ②地域包括ケアシステムの推進
    • 地域医療機関との連携及び中核病院としての役割を強化し、地域内で診療を受ける割合(受療の完結率)を高めることで、住民に切れ目なく必要な医療を提供。
  • ③まちづくりや地域活性化に寄与
    • 公共空間との一体的な整備や周辺施設との機能連携により、人々が交流できる憩いの場として、にぎわいのあるまちづくりや地域活性化に寄与。

担うべき役割・機能

  • 救急医療…神戸市全体の3次救急を補完するため、民間病院では対応が難しい2次救急の中でより高度な診療機能を担うž重症化の恐れがある心血管疾患、脳血管疾患への対応強化により標準的な診療体制を構築し、地域医療機関との連携のもと、中等症救急搬送を市街地西部内で完結させる
  • 小児・周産期…医療ž市街地西部で唯一の総合的な小児・周産期病院として、診療機能を堅持・強化し、地域の活性化に寄与する
  • 感染症・災害医療…新興感染症への対応のため、第二種感染症指定医療機関と同程度の機能・体制を確保する
    長田区内で唯一の災害対応病院として、大規模災害時にも診療機能を継続するため、医療スタッフやインフラ、トリアージ等のスペースを確保する
  • がん…がん治療の機能強化により、市街地西部内での治療の完結率を向上させ、地域住民の通院治療の負担軽減及び就労者の治療支援につなげる(放射線治療機能の導入検討など)
  • 脳卒中・心血管疾患…地域医療機関との連携のもと、複数疾患を持つ高齢者の増加に対応するため、総合的な診療機能を向上させる

建設予定地

  • 神戸市長田区若松町6丁目及び日吉町1丁目 若松公園の一部
新西市民病院は既存病院から1.5km西側へ移動
新病院整備に合わせ、若松公園も同時にリニューアル

今後の検討事項

以下の項目については、引き続き具体的な検討を行う。

  • 公園及び市営駐車場の再編及び代替機能の確保
  • 交通アクセスの検討(市バス路線の見直しなど)
  • 財務シミュレーションや高度医療機器導入の際の採算性の検証
  • 近年の傾向を踏まえた設計・工事等の発注方式等の検討
  • 現病院跡地の利活用方法の検討

スケジュール(予定)

  • 令和3年度 基本構想の策定
  • 令和4年度 基本計画の策定
  • 令和5年度~
  • 設計・工事 令和 10 年度
  • 新病院開院(開院まで現病院の運営は継続)

出所:神戸市 記者資料提供(令和3年9月3日)