公立病院再編で期限延長を 加藤厚労相に要望

公立病院などの再編や統合をめぐって、全国の自治体や病院の代表者が厚生労働省を訪れ、国が来年の9月までに結論を出すよう求めていることに対し、地域の実情に応じて期限の延長を認めるよう要望しました。

厚生労働省はことし9月、診療実績が特に少なかったり、似たような病院が近くにあったりする全国424の病院について、再編や統合の議論が必要だとして、実名を公表しました。

これについて、地方からは反発の声が上がっていて、20日は、全国自治体病院開設者協議会の会長を務める、鳥取県の平井知事や自治体病院の代表者らが厚生労働省を訪れ、加藤大臣に要望書を手渡しました。

この中では「地域の事情を踏まえずに病院名を公表し、住民や医療関係者に不安や混乱が広がっている。病院が機械的に再編統合されることは、あってはならない」と指摘しています。

そのうえで、国が来年9月までに結論を出すよう求めていることに対して、地域の実情に応じて、期限の延長を認めるよう要望しています。

さらに、再編や統合などは、公立だけでなく民間病院も含めて議論することが重要だとして、すべての医療機関の診療データを公表するよう求めています。

これに対し、加藤厚生労働大臣は「国が突出して議論を進めるのではなく、地方と協議をしながら医療改革を進めていきたい」などと答え、厚生労働省は今後、要望への対応を検討することにしています。

全国自治体病院開設者協議会の会長を務める、鳥取県の平井伸治知事は「病院の再編統合は、地域の実情に即して検討する必要がある。地域のペースで議論が進められるよう、国の柔軟な対応が必要だ」と指摘しています。

さらに「民間病院も含めて地域の将来を考えるのが本当の医療改革であり、情報の共有化を図るべきだ。また厚生労働省には、改革を進める地域に対する財政面の支援やアドバイスなどを求めていきたい」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/k10012184311000.html