医療機関「再編統合の議論が必要」と位置付けるまでの経緯

地域医療構想の実現に向けたこれまでの取組について

厚生労働省は26日、全国の公立病院と赤十字や済生会といった公的病院などのうち「再編統合の議論が必要」と位置付けた424の医療機関を実名で公表したが、ここに至る経緯を記す。

これまでの議論の整理について

第32回社会保障WG(令和元年5月23日)

これまで、2017年度、2018年度の2年間を集中的な検討期間とし、公立・公的医療機関等においては地域の民間医療機関では担うことのできない医療機能に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するための再編統合の議論を進めるように要請した。

○公立・公的医療機関等でなければ担えない機能として、「新公立病院改革ガイドライン」や「経済財政運営と改革の基本方針2018」においてはそれぞれ、

  • ア高度急性期・急性期機能や不採算部門、過疎地等の医療提供等
  • イ山間へき地・離島など民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供
  • ウ救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供
  • エ県立がんセンター、県立循環器病センター等地域の民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供オ研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能が挙げられている。

○2018年度末までに全ての公立・公的医療機関等における具体的対応方針が地域医療構想調整会議で合意されるよう取組を推進。

地域医療構想の実現に向けたさらなる取組について

平成31年4月24日第66回社会保障審議会医療部会

今後、2019年年央までに、全ての医療機関の診療実績データ分析を完了し、「診療実績が少ない」または「診療実績が類似している」と位置付けられた公立・公的医療機関等に対して、構想区域の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等を踏まえつつ、医師の働き方改革の方向性も加味して、当該医療機能の他の医療機関への統合や他の病院との再編統合について、地域医療構想調整会議で協議し改めて合意を得るように要請する予定。

地域医療構想の実現に向けたさらなる取組について、検討方法のイメージ。

地域医療構想の実現に向けたさらなる取組について、検討方法のイメージ。

①及び②により「代替可能性あり」とされた公立・公的医療機関等

医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等も踏まえ、具体的な協議等を要請する。

医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等も踏まえ、具体的な協議等を要請する。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06618.html

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000545436.pdf

第二十四回地域医療構想に関するワーキンググループ

具体的対応方針の再検証の要請に係る診療実績の分析方法等について

A)「診療実績が特に少ない場合」に係る診療実績データ分析及びそれに基づく具体的対応方針の再検証の要請について

診療実績データの分析における人口規模の考慮の必要性について

  • 各医療機関が所在する構想区域の人口規模によって、診療実績が影響を受ける。
  • そのため、人口規模が近い構想区域に所在する医療機関を一つのグループとして捉え、そのなかで診療実績の比較を行うことする。(構想区域を人口規模によって数個のグループに区分して検討する。)
  • 人口規模の分類に当たっては、政令市(50万人以上)や中核市(20万人以上)の基準などを参考にしつつ、人口規模ごとの診療実績のデータも加味し、・人口100万人以上の構想区域・人口50万人以上100万人未満の構想区域・人口20万人以上50万人未満の構想区域・人口10万人以上20万人未満の構想区域・人口10万人未満の構想区域の5つに分類してはどうか。

→所在する構想区域の人口規模が大きいほど、公立・公的医療機関等の診療実績が多い傾向がある。

診療実績データの分析における「特に診療実績が少ない」基準の設定について

○人口区分ごとに、各項目の診療実績について、一定の水準を設け、その水準に満たない項目について、「特に診療実績が少ない」こととする。○その基準については、横断的に相対的な基準を設定することとし、当該基準については、各項目の診療実績の分布等を踏まえ、人口区分によらず、下位33.3パーセンタイル値とする。
→各構想区域において、分析項目ごとに「診療実績が特に少ない」とされた公立・公的医療機関等が占める診療実績のシェアを算出しそれが全国規模でどのような分布をとっているかを項目ごとに分析。○「診療実績が特に少ない」とされた公立・公的医療機関等の、構想区域内でのシェアの合計が10%未満である構想区域が多数を占めていた。

B)「各分析項目について、構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、かつ、お互いの所在地が近接している」に係る分析及びそれに基づく具体的対応方針の再検証等の要請について

「各分析項目について、構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、かつ、お互いの所在地が近接している」についての分析
①構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上ある(=「類似の診療実績をもつ」とする)②「お互いの所在地が近接している」

「類似の実績」の考え方について

〔構想区域の類型化の手順〕①診療実績が上位50%(累積占有率50%)以内に入っている医療機関を上位グループとする。②上位グループの中で占有率が最低位の医療機関の実績と、下位グループのうち占有率が最高位である医療機関の実績とを比較し、上位グループと下位グループで明らかに差がある場合を「集約型」、一定の差がない場合を「横並び型」とする。

集約型。

集約型。

横並び型。

横並び型。

各構想区域の診療実績の上位33.3パーセンタイル以上の医療機関のシェアの状況

○各構想区域において上位33.3%の医療機関による診療実績のシェアを項目ごとに算出し、それが全国規模でどの様な分布をとっているのかを項目ごとに分析。○上位33.3%の医療機関による、構想区域内の診療実績のシェアが50%より大きい構想区域が大半を占めた。

各構想区域の診療実績の上位33.3パーセンタイル以上の医療機関のシェアの状況

各構想区域の診療実績の上位33.3パーセンタイル以上の医療機関のシェアの状況

実績上位グループと実績下位グループに属する医療機関の診療実績の差について

○各構想区域において、累積占有率50%を基準として医療機関を上位グループ、下位グループの2群に分ける。○「下位グループの中で診療実績が最も多い医療機関」1の診療実績と、「上位グループに属する医療機関」の診療実績を比較した。○多くの構想区域・分析項目において、「下位グループの中で診療実績が最も多い医療機関」(p.23右図D病院)の診療実績と、「上位グループに属する医療機関」(p.23右図C病院)の診療実績との間に、2倍以上の差が存在する。○2倍の差がついているものに関しては、上位グループと下位グループの間に「一定の差」があるものと考えられる。それに対して、1倍(差がない)の場合は、完全に「横並び」となっていることから、1倍と2倍の間で「一定の差」についての基準を設定することとし、当該基準については1.5倍を基準とする。

実績上位グループと実績下位グループに属する医療機関の診療実績の差について

実績上位グループと実績下位グループに属する医療機関の診療実績の差について

※₁ 上の箱ひげ図は各診療項目での診療実績の比の分布を示したもの。ひげの両端は外れ値を除いた最小値と、最大値を表している。箱は25パーセンタイル値、中央値、75パーセンタイル値を表している。
※₂ 図中の「×」は平均値を表す。

「お互いの所在地が近接している」の分析について

○各領域・分析項目について、ある医療機関から見た際に、一定の距離内に診療実績を有する※1他の医療機関がない場合は、「近接している医療機関がない」と考えることとする。(逆の場合を「近接する医療機関がある」とする。)
○この際、距離の検討にあたっては、公共交通機関の状況が各構想区域で異なることや、夜間や救急搬送の所要時間を考慮する観点から、自動車での移動時間※2を用いてはどうか。

「お互いの所在地が近接している」の分析について

「お互いの所在地が近接している」の分析について

○消防庁の発表(※1)によると、•救急要請から病院収容までの平均時間は約40分•現場出発から、病院到着までの平均時間は約12分である。
○仮に、具体的対応方針の再検証の結果、最も近い病院まで20分以上の距離がある医療機関(ア病院)の1つの機能を廃止することを決定した場合、ア病院から20分以内の距離にある地域の一部では、当該地点で発生した患者に対しては、対応可能な医療機関まで40分以上かけて搬送することとなり、上記平均時間を超過する。
○この様な状況も踏まえて、「近接」については、「自動車での移動時間が20分以内の距離(※2)」と定義することとする。
医療機関ごとに、最も近い医療機関までの移動時間を比較したところ、94%の医療機関が、20分以内に別の医療機関が存在していた。

94%の医療機関が、20分以内に別の医療機関が存在していた。

94%の医療機関が、20分以内に別の医療機関が存在していた。

※1 「平成30年版救急救助の現況」より
※2 移動時間は、国土交通省総合交通分析システム(NITAS)の最新版(ver.2.5(2019年3月版))を用いて集計している。道路の整備状況は、2016年3月時点の道路ネットワーク情報を使用している。計算は「道路モード」(有料道路が存在する場合は、有料道路を利用)で行い、自動車の速度は法定速度としている。

診療実績の分析と再検証の要請の流れ(案)について

今回の分析のポイントは、以下の2点である。
① 「診療実績が特に少ない」の分析(がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期・災害・へき地・研修・派遣機能の9領域)…医療機関単位の「診療実績が特に少ない」※1の分析を行い、「診療実績が特に少ない」領域が多数となる公立・公的医療機関に対し、再検証の要請(医療機関単位)を行うものである。これには人口100万人以上の構想区域も含むとされている。
② 「類似かつ近接」の分析(がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期の6領域)…領域・項目ごとに構想区域の類型化を行い、「集約型」または「横並び型」に分け、公立・公的医療機関等ごとに集計した結果、多数の領域で「類似かつ近接」と分析される公立・公的医療機関等については、当該病院に再検証を要請または都道府県に対し、当該病院が所在する構想区域における医療提供体制について検証を要請するものである。

公立・公的医療機関等に求める再検証の内容について

以下の2点。
① 2025年を見据えた構想区域において担うべき医療機関としての役割
見直し例:「周産期医療を他医療機関に移管」、「夜間救急受け入れの中止」等
② 2025年に持つべき医療機能※1別の病床数(※1高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4つの医療機能のこと)
見直し例:「一部の病床を減少(ダウンサイジング)」、「(高度)急性期機能からの転換」
→例えば、A病院の消化器がん機能の手術機能をB病院に移管とし、A病院は、50床(1病棟)を削減(ダウンサイジング)するとする。⇒具体的対応方針としては、A病院の病床のうち、急性期病床50床の減少が報告される。

具体的対応方針の再検証の要請について

○今回実施した診療実績データの分析結果を踏まえて、各公立・公的医療機関等において、各構想区域の人口推計、将来の医療需要の変化などと併せて、地域の実情および必要に応じて、構想区域内での各医療機関の役割を見直すことなどを通して、具体的対応方針の見直し、確認を行うことが適切である。
○特に、今回、一部の領域においては「診療実績が特に少ない」ことや「類似かつ近接」と分析される公立・公的医療機関等が明らかとなることがあるため、公立・公的医療機関等に対しては、診療実績データの分析の結果、再検証の要請の対象ではないが、これらの「診療実績が特に少ない」ことや「類似かつ近接」と分析された領域について、地域の実情に応じて、具体的対応方針の見直しの必要性を検討するよう求めることとする。
○その上で、対象となる全ての領域(※)で「診療実績が特に少ない」もしくは「類似かつ近接」とされた医療機関に対して具体的対応方針の再検証を要請することとする。
・この際、上記医療機関に対しては、診療実績の分析結果を踏まえて、原則、具体的対応方針を変更することを前提に、具体的対応方針の再検証を要請することとし、その再検証の結果については、地域医療構想調整会議において協議の上で合意を得ることを求めることとする。
・ただし、例えば、近隣に医療機関がない場合で、診療実績の分析対象となっていない医療の提供が地域にとって重要である場合や、ダウンサイジング等の一定の対応をとることで既に合意されているような場合など、具体的対応方針の変更を検討する際に特に留意が必要な事項がある場合は、これらの点について、地域医療構想調整会議において、明示的なかつ丁寧な議論を行うことが重要である。
「診療実績が特に少ない」の分析の対象:がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期・災害・へき地・研修・派遣機能の9領域の全て「類似かつ近接」の分析の対象:がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期の6領域の全て

具体的対応方針の再検証の要請対象となる医療機関数(公立病院/公的医療機関等数別)

具体的対応方針の再検証の要請対象となる医療機関数(公立病院/公的医療機関等数別)

具体的対応方針の再検証の要請対象となる医療機関数(公立病院/公的医療機関等数別)

(参考)分析の対象となった医療機関数

分析の対象となった医療機関数

分析の対象となった医療機関数

出典:追加配布資料2

具体的対応方針の再検証の要請対象について

具体的対応方針の再検証の要請対象となる医療機関数(下記のA/B該当別)
A :対象となる全ての領域(がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期・災害・へき地・研修・派遣機能)
で「診療実績が特に少ない」とされた医療機関
B :対象となる全ての領域(がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期)
で「類似かつ近接」とされた医療機関
※1一般病床もしくは療養病床を持つ医療機関であって、平成29年病床機能報告において「高度急性期」もしくは「急性期」病床を持つ公
立公的医療機関等の総数。
※2 平成29年度病床機能報告データに基づく

出典:追加配布資料2

プラン作成対象/データ分析対象/再検証要請対象について

医療機関数

新光立病院改革プラン対象病院の対象は823施設、公的医療機関等2025プラン対象病院は828施設の合計1652施設。

構想区域数

出典:追加配布資料2

公立・公的医療機関等に求める議論について

いくつかの領域において「診療実績が特に少ない」又は、「類似かつ近接」に該当しているのにも関わらず、2019年3月末までに策定・合意された具体的対応方針において機能や病床数の変更を行っていない医療機関に対しては、対応が必要と考えられる。
○そのため、2019年3月末までに策定・合意された具体的対応方針が、現状追認(※)となっているような医療機関に対しても具体的対応方針についての議論を求めることとする。
・ただし、具体的対応方針が現状追認となっている場合であっても、近隣に医療機関がない場合で、診療実績の分析対象となっていない医療の提供が地域にとって重要である場合など、具体的対応方針の変更を検討する際に特に留意が必要な事項がある場合は、これらの点について、地域医療構想調整会議において、明示的なかつ丁寧な議論を行うことが重要である。
・具体的対応方針の変更を行う場合には、地域医療調整会議で合意を得ることを求めることとする。
※2025年時点における機能と病床数、担う役割等(具体的対応方針)が、現在の機能と病床数、担っている役割等について大きな変更がない場合、もしくは具体的対応方針における病床数が現在の病床数よりも多い場合を、「現状追認」とする。

構想区域全体に求める検証の内容について

○「多数の領域で『類似かつ近接』と分析される医療機関」を有する構想区域については、・当該医療機関と類似の実績を有する他の医療機関が領域ごとに異なること・そのため、機能連携や機能再編等の相手方の医療機関が領域ごとに異なることや複数の医療機関にわたること等が予想される。
○そのため、「多数の領域で『類似かつ近接』と分析される医療機関」を有する構想区域において、構想区域全体の2025年の医療提供体制について、目指すべき姿(少なくとも、6領域についての医療機関ごとの役割分担等(「多数の領域で『類似かつ近接』と分析される医療機関」のあり方も含む))を検証することを都道府県に対して要請してはどうか。

公立・公的医療機関等に求める再検証のスケジュールについて

〇具体的対応方針の再検証の要請を受けた際は、再編統合(ダウンサイジングや、機能の分化・連携・集約化、機能転換・連携等を含む)について特に議論が必要な公立・公的医療機関等は、構想区域の他の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等を踏まえて、協議し、遅くとも2020年9月末までに結論を得ることとしてはどうか。
〇この際、公立病院については当該自治体の議会に、公的医療機関等については、該当する場合はその団体本部に対し、地域医療構想調整会議の協議に諮ることの合意が必要な場合は、予め得ておくこととしてはどうか。(再検証後の具体的対応方針の内容を議会に承認されるには時間を要する可能性があるため、議会等の承認が必要な場合については、当該承認を得ることについて、時期はいつでも良い。)
〇「多数の領域で『類似かつ近接』と分析される医療機関」を有する構想区域において、構想区域全体の2025年の医療提供体制について、目指すべき姿を検証することを都道府県に対して要請する際には、上記に伴って検討を行い、遅くとも2020年9月末までに地域医療構想調整会議の結論を得ることとしてはどうか。
〇一方で、具体的対応方針の再検証において、再編統合(ダウンサイジングや、機能の分化・連携・集約化、機能転換・連携等を含む)を伴わない場合については、2020年3月末までに結論を得ることとしてはどうか。※2019年3月末までに策定・合意された具体的対応方針が、現状追認となっているような医療機関に対しても具体的対応方針についての議論を求める際、上記と同様のスケジュールで進めることとしてはどうか。

再検証における「都道府県単位で設置された地域医療構想調整会議」の活用等について

〇具体的対応方針の再検証においては、構想区域単位で地域医療構想調整会議を開催し、結果について、合意を得ることとなる。
○しかしながら、地域医療構想調整会議においては、地域の医療提供体制における直接の当事者も構成員に含まれている場合もあり、地域医療構想に沿った役割分担等ついて、意見を述べることが困難な事例が存在することが指摘されている。このように、構想区域単位の地域医療構想調整会議において、議論が尽くせない可能性もあると考えられる。
○このような指摘も踏まえ、議論の進め方の具体的な論点・プロセス等について、国が整理し、追って提示する等、必要な支援を行うこととしているが、再検証された具体的対応方針について、各都道府県の関係者等が確認し、必要に応じて指摘等を行うことで、具体的対応方針がより真に構想の実現に沿ったものとなるのではないか。
○そのため、再検証を終えた具体的対応方針について、各都道府県単位で設置された地域医療構想調整会議において取り上げ、より地域医療構想の実現に沿ったものとなるよう、関係者に対して、助言・指摘等を行うこととしてはどうか。

具体的対応方針の再検証における「再編統合」とは

○地域医療構想の実現に向けては、各地域において住民に必要な医療を、質が高く効率的な形で不足なく提供できているかどうか、という視点の議論が不可欠である。○また、具体的対応方針の再検証を行うにあたっては、地域医療構想調整会議の活性化が不可欠であり、それにより、地域の実情に応じた医療提供体制の構築が一層推進されると考えられる。○これらのことから、地域の医療提供体制の現状や将来像を踏まえつつ、個々の医療機関の医療提供内容の見直しを行う際には、・医療の効率化の観点から、ダウンサイジングや、機能の分化・連携、集約化・不足ない医療提供の観点から、機能転換・連携等を念頭に検討を進めることが重要である。(これらの選択肢が全て「再編統合」に含まれると解する。)○そのため、「再編統合の必要性について特に議論が必要な公立・公的医療機関等」(「再検証対象医療機関」とする。)とされた医療機関が行う具体的対応については、地域の他の医療機関等と協議・合意の上で行う上記の選択肢全てがとりうる選択肢となる。
※一部の公立・公的医療機関等が、地域のその他の医療機関との連携のあり方を考慮することなく医療機関同士を統合することにより、その他の医療機関の医療提供のあり方に不適切な影響を与えることがないよう、将来の医療提供体制について、関係者を含めた十分な協議を行うことが重要である。

具体的対応方針の再検証に当たっての留意事項

○地域医療構想調整会議において、2017-2018年度の2年間程度で集中的な検討を進めることとした中で、特に公立・公的医療機関等に対しては、それぞれ「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定し、民間医療機関との役割分担を踏まえ、公立・公的医療機関等でなければ担えない分野へ重点化された具体的対応方針であるか確認することを求めてきた。○また、これまでの本WGの議論の中で、公立・公的医療機関等の中でも、公的に期待されている役割や税制上・財政上の優遇措置等の状況が、設置主体によって異なるのではないか、という指摘がなされてきた。○これらの指摘を踏まえ、公立病院を除く公的医療機関等については、公立病院と異なり、法に基づいて、診療事業会計に対して繰り入れ等を行っているものではないため、具体的対応方針の再検証に当たっては、留意を行うこととしてはどうか。○また、地域医療支援病院のうち、民間の病院については、税制上の優遇措置や期待される役割が医療法上の公的医療機関等(一般の医療機関に常に期待することができない業務を積極的に行い、一体的に運営する等)とは異なると考えられるため、具体的対応方針の再検証に当たっては、留意を行うことしてはどうか。

具体的対応方針の再検証に関するこれまでの議論の整理について(参考)

これまでの経緯
第22回地域医療構想に関するWG(令和元年6月21日)
○地域医療構想調整会議において2年間程度で集中的な検討を進めることとした中で、特に公立・公的医療機関等に対しては、それぞれ「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定し、民間医療機関との役割分担を踏まえ、公立・公的医療機関等でなければ担えない分野へ重点化された具体的対応方針であるか確認することを求めた。○また、前回までの本WGにおいて、「具体的対応方針の検証に向けた議論の整理(たたき台)」について議論を行ってきた。○その中で、具体的対応方針の検証方法としては、厚生労働省において、診療実績等の一定の指標を設定し各構想区域の医療提供体制の現状について分析を行った上で、一定の基準に合致した場合は、厚生労働省から都道府県に対して、これまでの具体的対応方針に関する合意内容が、真に地域医療構想の実現に沿ったものとなっているか、地域医療構想調整会議において改めて検証するよう要請することとしている。

地域医療構想の実現に向けたこれまでの取組について

第32回社会保障WG(令和元年5月23日)
○これまで、2017年度、2018年度の2年間を集中的な検討期間とし、公立・公的医療機関等においては地域の民間医療機関では担うことのできない医療機能に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するための再編統合の議論を進めるように要請した。○公立・公的医療機関等でなければ担えない機能として、「新公立病院改革ガイドライン」や「経済財政運営と改革の基本方針2018」においてはそれぞれ、ア高度急性期・急性期機能や不採算部門、過疎地等の医療提供等イ山間へき地・離島など民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供ウ救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供エ県立がんセンター、県立循環器病センター等地域の民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供オ研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能が挙げられている。○2018年度末までに全ての公立・公的医療機関等における具体的対応方針が地域医療構想調整会議で合意されるよう取組を推進。

地域医療構想の実現のための推進策

○病床機能報告における定量的基準の導入…2018年10月からの病床機能報告において診療実績に着目した報告がなされるよう定量的基準を明確化し、実績のない高度急性期・急性期病棟を適正化
○2018年6月より地域医療構想アドバイザーを任命…・調整会議における議論の支援、ファシリテート・都道府県が行うデータ分析の支援等
○2018年6月より都道府県単位の地域医療構想調整会議の設置
合意済み95%
議論継続中5%2%
合意済み98%
○介護医療院を創設し、介護療養・医療療養病床からの転換を促進

地域医療構想の実現に向けたさらなる取組について

○今後、2019年年央までに、全ての医療機関の診療実績データ分析を完了し、「診療実績が少ない」または「診療実績が類似している」と位置付けられた公立・公的医療機関等に対して、構想区域の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等を踏まえつつ、医師の働き方改革の方向性も加味して、当該医療機能の他の医療機関への統合や他の病院との再編統合について、地域医療構想調整会議で協議し改めて合意を得るように要請する予定。
分析内容…A各分析項目について、診療実績が特に少ない。B各分析項目について、構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、かつ、お互いの所在地が近接している。

具体的対応方針の検証について

令和元年6月21日第21回地域医療構想に関するWG

厚生労働省は診療実績が少ない医療機関や、他の医療機関と競合している医療機関を明らかにすることを目的として、2019年年央までに、各医療機関の診療実績について、A各分析項目について、診療実績が特に少ない。B各分析項目について、構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、かつ、お互いの所在地が近接している。のいずれかの要件を満たす分析項目について「代替可能性がある(注)」とし、その結果を都道府県に提供する。
○特に、今回、具体的対応方針の再検証の対象となる公立・公的医療機関等について、分析の結果から、・1つ以上の分析項目において、「代替可能性がある」とされた医療機関を、「他の医療機関による役割の代替可能性がある公立・公的医療機関等」、・「他の医療機関による役割の代替可能性がある公立・公的医療機関等」のうち、大半の分析項目について「代替可能性がある」とされた医療機関を、「再編統合の必要性について特に議論が必要な公立・公的医療機関等」、として位置づけることとする。
○なお、全く診療実績のない分析項目については、「代替可能性がある」とはしていないが、大半の分析項目について、全く診療実績がない場合(注)は、医療機関として公立・公的医療機関等でなければ担えない役割に重点化できていないと考えられることから、そのような場合は、「再編統合の必要性について特に議論が必要な公立・公的医療機関等」として考えることとする。注:全く診療実績がない項目と「代替可能性がある」項目のいずれかが大半となる場合も含む。

公立病院・公的医療機関等の具体的対応方針の集計結果

第32回社会保障WG(令和元年5月23日)
○高度急性期・急性期病床の削減は数%に留まり、「急性期」からの転換が進んでいない。○トータルの病床数は横ばい。→具体的対応方針の合意内容が地域医療構想の実現に沿ったものになっていないのではないか。
○2015年度病床数と2025年の病床の必要量を比較すると、「高度急性期+急性期+回復期」の全国の病床数合計は、89.6万床→90.7万床と増加する。○公立病院・公的医療機関等の病床のうち、93%※は、高度急性期・急性期・回復期であり、具体的対応方針における2025年のトータルの病床数見込みの評価は慎重に行う必要がある。※2015年度ベース

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