兵庫県立病院の統合新病院 設計は佐藤総合計画

兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合新病院

兵庫県は、「県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合新病院整備に係る基本・実施設計業務」を行う者として、株式会社佐藤総合計画 関西オフィスを特定。

統合再編新病院の概要

診療科目…これまで両病院で提供してきた診療機能を継承し、両病院の診療科目を維持したうえで、脳神経内科、心臓血管外科、精神科を新設

病床規模

552床

設置するセンター

  • 救命救急センター
  • 地域周産期母子医療センター
  • 消化器病センター
  • 呼吸器病センター
  • 腎疾患総合医療センター
  • 脳卒中センター
  • ハートセンター
  • 重度四肢外傷センター
  • オンコロジーセンター
  • 内視鏡センター
  • アイセンター
  • 生活習慣病センター

整備用地

統合再編新病院の整備用地は、西宮市津門大塚町(アサヒビール西宮工場跡地)、 面積は26,000㎡。

統合再編新病院は阪神国道駅近く

事業費は386億円

総事業費は用地取得に係る費用として55億円、病院本体工事費247億円など合わせ総額386億円を想定。病院附属施設(立体駐車場・利便施設(建築面積 2,500 ㎡程度を想定))の整備は、PFI等民間事業者の資金とノウハウの活用を検討する。

  1. 用地購入費:建設用地の取得費…約55億円
  2. 設計・監理費:基本設計、実施設計、設計監理、埋蔵文化財調査等…約14億円
  3. 建設工事費:本体工事、造成・外構 等…約247億円
  4. 医療機器等整備費:医療機器、情報システム、備品等…約70億円
  5. 合 計:約386億円

整備スケジュール

設計を令和3年度中に完了し、令和4年から工事開始、令和7年度の開院予定。

地域的な特徴として、酒造用地下水(宮水)保全対象地域であるため、取水期(10 月~3 月)に基礎工事等が困難なため工期が長期化

統合再編新病院は令和7年の開院予定

兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合までの経緯

  • 平成 26 年 11月~ 兵庫県と西宮市との間で両病院の課題を共有するため、「西宮市域における県立西宮病院と西宮市立中央病院の現状と課題に係る意見交換会」を設置
  • 平成 27 年6月 取りまとめ報告を発表し、両病院の役割分担・連携の推進、再編など、様々な取組の可能性を検討。
  • 平成 27 年 12 月 西宮市議会から「県立西宮病院と市立中央病院の経営統合を求める意見書」が全会派一致で県へ提出され、県からは両病院のあり方について、両病院を取り巻く医療環境、本県病院事業の経営状況等も十分踏まえつつ、外部有識者を含む検討委員会を県市共同で設置し、西宮市とも連携しながら検討との答
  • 平成 28 年4月 「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院のあり方検討委員会」を設置
    地元西宮市の医療関係者、地域住民、外部有識者等の委員により、阪神医療圏域における医療の現状、両病院の診療機能・診療体制等の現状と課題、両病院の今後のあり方等について検討
  • 平成 29 年3月 両病院のあり方検討委員会より、「両病院を統合し、新用地に新病院を整備することが望ましい」という検討結果報告
  • 平成 31年1月 21 日 兵庫県、西宮市及び両病院事業管理者において「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本協定」を締結し、統合再編に向けての具体的な取組を開始
  • 令和2年2月 「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画」を作成

阪神圏域の課題

  • 大学病院、県立病院等の高度専門、高度急性期の病院が旧阪神南圏域に集中しており、阪神圏域全体をカバーできるような医療提供体制、連携のあり方を考える必要がある。
  • 西宮市では周産期及び小児入院患者の圏域外への移動割合が高く、晩婚化の影響による高齢妊婦や各種合併症妊娠等のハイリスク妊産婦・新生児に対する医療需要が高まっている中で、産科・小児科の医療提供体制のあり方を考える必要がある。
  • 加えて、隣接圏域も含め人口集中地域を形成していることも踏まえ、感染症対応機能を充実・強化させる必要がある。
  • 将来は総人口が減少する中でも入院患者数は増加し、特に循環器系、呼吸器系疾患は顕著に増加する見込みであることから、対策が必要である。
  • 今後ますます 75 歳以上の高齢者の人口割合が高まるため、救急対応(特に2次、3次救急)も含めた医療提供のあり方を考える必要がある。

兵庫県立西宮病院(一般400床)の特徴

県立西宮病院は、昭和 11 年に県内で最初の県立病院として現在地において「兵庫県立西宮懐仁病院」の名称で開設され、がん医療、脳血管疾患医療、糖尿病医療、周産期医療等の高度・専門医療を担う阪神南医療圏域の中核病院として発展してきた。

特に、昭和 45 年には多発する交通事故等に対処するため救急医療センターを設置し、阪神間における救急医療の中核施設として重症外傷などの3次救急に取り組む一方、災害拠点病院・兵庫DMAT指定病院として救急・災害医療における重要な役割を果たしている。

また、慢性腎不全に対する県民医療を確保するため昭和 47 年に腎移植センターを設置し、全国の自治体病院として最初に腎移植を行って以来、先進医療に取り組んできた。

兵庫県立西宮病院の抱える課題

  • 今後も高度専門・特殊医療を担っていくにあたって、防災面に課題があり、診療科が不足(心臓血管外科、呼吸器内科・外科、脳神経内科、精神科)している。
    ⇒ 救命救急センター及び併設のICUが地下にある
    ⇒ ヘリポートが未設置
  • 身体合併症を有する精神患者に対応するための体制が十分ではない。
  • 敷地が狭あいであることから、これらの課題や今後の医療環境の変化に対応するための大規模改修や増築等ができない。
  • 感染症患者と一般患者の動線を分けることが困難なことに加え、陰圧設備を備えた個室や診察室等がないなど、感染症患者の受け入れを想定した施設・設備となっていない。

西宮市立中央病院(一般257床)の特徴

市立中央病院は、大正 10 年に西宮町立診療所として久保町に開設され、昭和14 年に病院としての機能を備え、「西宮市立市民病院」を開設した。

戦後、染殿町に移転し、市内各所にあった5つの市立診療所を病院の管轄とするなど、病院に機能を集約し、昭和 35 年に名称を「市立中央病院」に改めた。

昭和 50 年に現在地へ移転した後は、センター機能の充実や高額医療機器の導入などにより総合的な診療体制を整え、2次救急への対応がんの集学的治療に注力し、平成 23年には県指定のがん診療連携拠点病院の認定を受けている。

さらに、心疾患に対応する診療体制の整備、MRIやリニアックの更新、手術ロボット「ダヴィンチ」を導入するなど、急性期病院としての機能充実を図るとともに、令和元年には「地域医療支援病院」の名称承認を受けるなど、地域に密着した医療機関として市民に医療サービスを提供している。

西宮市立中央病院の抱える課題

  • 平成 29 年度に耐震改修を行ったものの、築後 40 年以上が経過した建物の老朽化対策や長寿命化には限界がある。
  • 急性期・総合型病院として不足している診療科(脳神経外科、産科)がある。
  • 赤字決算が続いており更なる経営改善への取組みが必要である。
  • 感染症に対応する設計がなされておらず、感染症患者の受け入れを想定した施設・設備となっていない。

経営上の課題も統合を後押し

県立西宮病院はり病床利用率は86%台を保ち平成 22 年度から9年連続で経常利益を計上する一方、市立中央病院は在院日数の短縮に伴う延べ入院患者数の減少が続き、毎年度5億円以上の経常損失を計上していた。

出所
兵庫県HP
西宮市立病院HP「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画」

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