宝塚市立病院 建替えへ

宝塚市立病院の建て替えは336億円超
宝塚市立病院の建て替えは336億円超

宝塚市立病院は2024年1月15日、宝塚市立病院経営強化プランへのパブリックコメント実施について公表した。この中では、地域で求められる役割を果たしつつ健全経営を行っていくために病院が実施していく経営計画の一つに、病院の建て替えが挙がっている。

新病院整備の必要性

  1. 本院は地域の急性期医療を提供する中核病院であり、公立病院として採算性の面から民間病院では難しい医療も提供している。しかし、現在の施設では新しい医療技術への対応や効率化が難しく、改修には多額の費用がかかる。
  2. 現行の施設では構造上の問題があり、新しい医療技術や診療の効率化が難しいため、新病院の整備が必要とされている。新病院の整備により、診療機能の強化や病室の改善、効率的な院内動線の確保が可能であり、これによって患者サービスの向上と病院の健全経営が期待されている。
  3. 新病院の整備には本院が担うべき診療機能や病床規模などを検討し、基本的な計画を進めていく必要がある。これにより、宝塚市において必要な医療を確保し、長期にわたり健全な経営が行えるようになる。

宝塚市の将来推計患者数

宝塚市において一定規模の患者数があり、今後増加が予測される疾患として、①神経系、②眼科系、④呼吸器系、⑤循環器系、⑥消化器系、⑦筋骨格系、⑪腎尿路系、⑬血液系、⑯外傷系の疾患が挙げられ、阪神圏域全体の傾向と概ね同じ。

宝塚市の将来推計患者数

病床規模は330~370床

必要病床規模は令和17年(2035年)をピークに緩やかに減少するが、新病院整備を通じた更なる診療機能の強化により、段階的に市内受療率の向上を図ることを踏まえ、将来病床規模の目安は330~370床程度としている。

病床規模の計算方法

事業費は336億円

新病院にかかる事業費は工事費250億円をはじめ、医療機器56億円、解体費21億円などを合わせ、336億円とかなり高額となっている。また、この事業費には土地取得費、造成工事費、外構工事費、土壌汚染対策費、アスベスト対策費等が含まれておらず、最終的な実質事業費はさらに上乗せとなる予想。単位:千円・税込。

項目金 額備考・内訳等
建築工事費25,155,900延床面積:90㎡/床×350床=31,500㎡ 建築単価:799千円/㎡
基本設計・実施設計費541,002国土交通省告示98号「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」より
基本設計151,063
実施設計389,939
監理費159,819国土交通省告示98号「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」より
医療機器等整備費5,582,500医療機器/備品:11,000千円/床×350床 システム:4,950千円/床×350床
解体費2,116,127解体費:65千円/㎡
合計33,555,348

経営強化プランとは

経営強化プランは、「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」(令和4年3月29日付総務省自治財政局長通知、以下「経営強化ガイドライン」という。)が発出され、病院事業を設置する地方公共団体において「公立病院経営強化プラン」の策定が要請されている。

出所:宝塚市立病院HP宝塚市立病院 経営強化プラン(案)