医療器械商社の白井松器械 民事再生 負債87億円 粉飾か

2023年9月19日、医療器械商社の白井松器械が大阪地裁に民事再生法の適用を申請したことが報じられた。申請時の負債は約87億円。

2023年に入り、取引金融機関の複数行が白井松器械の決算書に疑念を持ち、返済や残高証明書の提示を求められる過程で粉飾が発覚した。2000年頃から当時の代表が主導して粉飾に手を染め、融資を受けていたという。

税務申告用と対外用の決算書を分け、売上の水増し、売掛金と買掛金を調整するなどしていた。今後は、スポンサー支援による再建を目指す意向。

2024年5月31日追記 元社長ら 逮捕

NHK等の報道によると、黒字決算を装い銀行からおよそ5億円の融資を受ける契約を結んだ疑いなどで、大阪市にある医療機器商社の元社長らが逮捕された。警察は会社が粉飾決算を20年以上にわたって繰り返し、資金を不正に調達していたとみて調べている。

出所:NHK「白井松器械」めぐる詐欺事件 事業拡大と銀行にうその説明か 05月31日 07時09分

近年、医療機器販売業の民事再生や倒産が目立つようになってきた。2022年10月には医療機器の販売・コンサル企業が負債約132億円で民事再生申請、架空・循環取引を行っていた関連子会社及び取引先が連鎖倒産する例もあったが、こちらは詳細な調査は公表されていない。

出所:東京商工リサーチ帝国データバンク