病院の清掃・警備・案内はロボットに変わるか

モビリティ・ロボット・建物設備連携サービスを 加賀市医療センターに実証導入
モビリティ・ロボット・建物設備連携サービスを 加賀市医療センターに実証導入

清水建設株式会社ブルーイノベーション株式会社オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社の 3 社は、加賀市医療センターにおいて、病院設備と複数ロボットを連携させた清掃・案内・配送等のサービスの実証導入を実施した。

本実証導入は、加賀市および 3 社が共同で内閣府から受託した「スーパーシティ構想の実現に向
けた先端的サービスの開発・構築等に関する実証調査業務
」として実施したもの。

病院を核とした複数ロボット連携広域ソリューションによるまちづくりで、
新たな地方創生モデルの実現に期待
  • 加賀市医療センターに清水建設の建物 OS「DX-Core」とあわせて、ロボット制御プラットフォームとしてブルーイノベーションの「Blue Earth Platform(以下 BEP)」と清水建設の「Mobility-Core」 を導入
  • BEP を介してオムロンの複合型サービスロボット「Toritoss」と清掃ロボットを DX-Core と連携させ、各ロボットがセキュリティ自動ドアなどと連動して病院内をシームレスに移動しながら業務を行う
  • Mobility-Core を介して DX-Core と連携させた配送ロボットと自動ドアの連携実証も併せて実施
  • ロボット導入による清掃業務・看護業務等の負担軽減の可能性を確認することができ、従来の人による業務に加えてロボットが提供するサービスを組み合わせた業務体制を構築することで、病院施設内のマンパワー不足への対応や、コロナウイルス禍における人との接触機会を抑制した安全な業務運営などを実現できることが確認
セキュリティ自動ドアなどの建物設備と連動し、清掃や配送を行うロボットの様子

建物OS「DX-Core」

建物にインストールし、適時アップデートすることで「資産価値向上」、「建物運用管理の効率化」 「利用者の利便性、安全・安心向上」を実現する建物デジタル化のプラットフォーム。パソコンのOSのようにメーカーの垣根を越えて設備をつなげることができる。ロボットの垂直水平の移動時にはELVや自動扉との連携制御が必要になり、ロボット毎に個別にELVや自動扉と連携させることが必要であったが、DX-coreと複数ロボットを連携制御するアプリケーションを利用し、多対多のメッシュ連携が実現可能。

Blue Earth Platform

ミッションをベースに複数のロボットを統合管理するプラットフォーム。 任意の地図情報や、物体の位置情報、そしてそれらオブジェクトの属性情報を統合・管理することによって、ロボットの自動制御による業務ミッションの達成をスマートに実現。

複合型サービスロボット Toritoss

マップと作業ルートを⼿押しで記憶させるだけで、記憶したルートを⾃動で⾛⾏する。バッテリ残量はロボット⾃⾝が判断し、⾃動的に充電ステーションに戻り、充電を開始する。クラウド機能により、エリア管理者や現場責任者は、ロボットの稼働状態、稼働エリアや稼働時間などの運⽤設定、カメラ映像の確認やロボットの移動指⽰を遠隔で⾏える。

  • 【清掃】 施設内の巡回清掃…障害物を⾃動回避しながら清掃を実施。床⾯のゴミを吸引する
  • 【警備】 施設内の巡視…内蔵カメラで周囲の映像を遠隔で確認可能。本体に搭載したスピーカとマイクを通じ、倒れている⼈や不審者に対して遠隔で声掛けが可能
  • 【案内】 コンテンツの案内…前⾯に搭載したディスプレイ、スピーカを活⽤することで、動画などのコンテンツを再⽣可能

加賀市医療センターの概要

加賀市民病院と山中温泉医療センターを統合して2016年に開院。石川県地域がん診療連携推進病院、石川県地域災害拠点病院。

項目内容
施設名加賀市医療センター
所在地〒922-8522 石川県加賀市作見町リ36番地
病床300床
一般病棟214床 内ハイケアユニット10床
地域包括ケア病棟41床
回復期リハビリテーション病棟45床
構造RC造一部PSPC造(免震構造)
延床面積26,628.55㎡
診療科内科、循環器内科、呼吸器内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、脳神経内科、消化器内科、リウマチ科、外科、消化器外科、乳腺外科、肛門外科、整形外科、産婦人科、小児科、眼科、耳鼻いんこう科、皮膚科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、救急科、総合診療科
その他救急センター、集中管理センター(HCU)、腎臓ケアセンター、健診センター、内視鏡室、手術室、地域連携センター つむぎ、医療安全管理室、感染管理室、医療支援室、薬剤室、放射線室、検査室、栄養室、リハビリテーションセンター、医療機器管理室、病児・病後児保育室 かもっ子、訪問看護ステーション りんく

病院向けの搬送ロボットはこれから増える?

院内の搬送は建物に設置する搬送システムや気送管などがあるが、大規模病院向けが多かった。搬送量や搬送時間、導入コストにはまだ課題は残るが、薬剤や検体、給食などの搬送はロボットによる自走も登場している。

出所:ブルーイノベーション株式会社HP