野洲市民病院計画のこれまでの経緯
平成26年3月に「(仮称)野洲市立病院整備基本構想」(以下「前基本構想」)、平成27年3月に「(仮称)野洲市立病院整備基本計画」(以下「前基本計画」)を策定
- 令和元年 7 月に「旧・野洲病院」から病院を引き継ぎ、「市立野洲病院」として野洲市の運営による体制に移行
- 令和2年 10 月の市長選挙を契機に、新病院の整備に総事業費約120億円という高額な費用を投入する計画であったことや、野洲市における中長期の有効的な土地利用の観点から、病院の整備計画については整備場所を含めて大幅に見直し
市立野洲市民病院 概要
- 名称…市立野洲病院
- 所在地…520-2331 滋賀県野洲市小篠原1094番地
- 診療科目…内科、脳神経内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、糖尿病内分泌内科、人工透析、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科、健診科
- 病床数…199 床(急性期;110床、地域包括;48床、回復期;41 床)
- 職員数…総数 373 名 (※うち、非常勤医師65名を含む)※令和元年7月現在
- 沿革…令和元年7月1日に民間の前病院解散により譲渡を受け、野洲市病院事業・市立野洲病院として発足。前病院は、昭和34年11月26日に野洲市小篠原1094番地に「野洲診療所」として開設され、昭和39年8月1日に「野洲病院」として開設。東館(昭和55年11月15日竣工)、西館(平成3年5月1日竣工)、北館(平成11年12月1日竣工)。
周辺医療環境
- 野洲市が属する湖南医療圏は、野洲市、守山市、草津市、栗東市の 4 市で構成
- 野洲市内には、市立野洲病院を含めて 3 病院が立地し、市立野洲病院は急性期および回復期医療を提供する唯一の病院
- 高度急性期・急性期を担う大規模病院は野洲市外に複数立地し、湖南医療圏内の高度急性期・急性期は、野洲市外の病院が大きな役割を担っている
- 一方、市立野洲病院は一般急性期とともに、急性期後の回復期を中心に担っており、地域全体での役割分担を図っている状況
施設状況
- 旧・野洲病院から引き継いだ建物は、昭和 55 年から平成 11 年にかけて建築されたもので、各所で躯体・仕上げ材・設備機器・設備配管等の劣化
- 特に東館は旧耐震基準で建築されており、現行の耐震基準を満たしていない状況
- 現地建替えは技術的には不可能ではないものの、実現困難となる課題や懸念事項が多いことから、断念せざるを得ないと結論
- こうしたことから、野洲市民の安全・安心を支え、社会の変化に対応できる病院であり続けるために、早期の施設建替えが必要
野洲市民病院がめざす病院像
① 中軽症の患者の入院、退院への対応
高齢化に伴い今後増加することが予測される中軽症の患者の入院医療や外来医療の提供を行い、身近な場所で必要な医療を受けることができる環境をつくります。
② 大学病院などの急性期で重度な医療を担う病院と在宅療養の間をつなぐ役割
近隣の高度急性期・急性期病院と円滑な連携を図り、高度な医療が必要な場合に適切な医療を受けることができるよう橋渡しの役割を果たします。
③ 在宅医療を推進する上で診療所等の後方支援の役割
地域の診療所等で受診されている患者が入院医療を必要とした場合に、迅速な受け入れを行い、診療所等が在宅医療を行いやすい環境をつくります。また、地域の介護事業者等との連携や訪問看護や訪問リハの機能を充実させ、在宅療養へ円滑に移行できる環境をつくります。これらにより、野洲市における地域包括ケアシステムの中心的役割を担います。
④ 住民が健康であり続けるための疾病予防やリハビリテーション医療の充実
健診事業や、行政機関等と連携した健康維持・介護予防のための教育・啓発活動などを充実させ、住民の健康を守り続けます。また、急性期医療を受けられた後の回復期医療が必要となる患者を積極的に受け入れ、患者の早期機能回復や社会復帰を支援します。
⑤ まさかのとき(災害・新興感染症流行時)に、住民の安全・安心を支える役割
災害発生時や新興感染症流行時に、野洲市として求められる医療を提供し続けることができる病院をつくります。
⑥ 将来にわたり地域を守り続けられる、安定した医療と運営の体制
新病院整備では、患者や職員にとっての利便性に配慮した上で、健全経営を見据えた、適切な規模・内容の投資を行うとともに、職員にとって働きがいを持てる魅力的な病院をつくり、病院運営を担う医療スタッフの確保に努めます。
新病院規模
【野洲市民病院 病床数】 | 病床数 | 想定稼働率 |
---|---|---|
一般病棟 | 76床 | 80% |
地域包括ケア病棟 | 48床 | 90% |
回復期リハビリテーション病棟 | 41床 | 90% |
合 計 | 165床 | 85% |
整備場所と建築計画
整備場所
- 計画地 JR野洲駅前Bブロック(野洲市小篠原字宇立 2180 番 2、2185 番 3、2185 番 7)
- 敷地面積 約 3,600 ㎡
- 用途地域 商業地域
- 建蔽率/容積率 80%/400%
- 防火地域等 指定なし (法第 22 条区域内)
- 高度地区 指定なし
- 道路幅員 北東側 : 市道野洲駅下水門線 約 15m
- 北西側 : 市道野洲駅下水門線 約 13m
- 南東側 : 市道小篠原稲辻線 約 9m (内河川約 2m)
- 道路斜線 1.5L(20m)
- 隣地斜線 2.5L+31m
- 北側斜線 なし
- 日影規制 なし
- 地区計画 野洲駅南口西地区地区計画
- 緑化率 野洲市生活環境を守り育てる条例(法定緑化率 3%)
- 景観計画区域 野洲市景観計画重点地区(野洲駅南地区、沿道景観形成地区)
- 文化財保護法 埋蔵文化財包蔵指定地域外
配置計画
前回計画との変更点
項目 | 今回計画 | 前回計画(修正設計) | 今回と前回の差 |
---|---|---|---|
病床数 | 165床 | 179床 | ▲14床 |
一般急性期 | 76床 | 90床 | ▲14床 |
地域包括ケア病棟 | 48床 | 48床 | 0床 |
回復期リハ病棟 | 41床 | 41床 | 0床 |
延床面積 | 約 15,200㎡ | 約 21,450㎡ | – |
病院棟 | 約 14,200㎡ | 約 14,300㎡ | ▲約 100㎡ |
ピロティ駐車場 | 約 1,000㎡ | – | – |
連絡通路 | – | 約 150㎡ | – |
立体駐車場 | – | 約 7,000㎡ | – |
駐車場台数 | 約40台程度 | 260台 | ▲220台程度 |
事業費 | 約 97.7億円 | 約 119.9億円 | – |
(前敷地計画分を含む) | 約 109.3億円 | – | – |
建築工事費 | 約 67.0億円 | 約 85.0億円 | – |
病院棟(ピロティ駐車場含む) | 約 67.0億円 | 約 78.1億円 | ▲約 11.1億円 |
連絡通路・立体駐車場 | – | 約 6.9億円 | – |
設計監理費 | 約 3.4億円 | 約 2.9億円 | – |
用地取得費 | 約 4.5億円 | 約 11.3億円 | ▲約 6.8億円 |
医療機器整備費 | 約 9.9億円 | 約 8.5億円 | – |
情報システム整備費 | 約 7.9億円 | 約 7.9億円 | – |
什器購入費 | 約 1.0億円 | 約 1.2億円 | – |
事務費等 | 約 3.1億円 | 約 2.7億円 | – |
移転費 | 約 0.9億円 | 約 0.4億円 | – |
(参考)前敷地費用 | 約 11.6億円 | – | – |
前敷地 設計費用 | 約 2.0億円 | – | 約 2.0億円 |
前敷地 用地取得費 | 約 8.0億円 | – | – |
事務費等(2020年度まで分) | 約 1.6億円 | – | 約 1.6億円 |
発注方式と整備スケジュール
- 発注方式は、整備スケジュールの短縮、コストの縮減、設計と施工の責任が明確となり高い品質管理が期待できる基本設計デザインビルド方式での整備を検討
- 下図の整備スケジュールを予定し、令和7(2025)年度中の開院を目指す
整備事業費
項目 | 概算事業費 | 財源 企業債 | 財源 補助金 | 病院財源 |
---|---|---|---|---|
建設工事費 | 約 67.0 億円 | 約 58.1 億円 | 約 8.9 億円 | *1 |
設計監理費 | 約 3.4 億円 | 約 2.4 億円 | 約 1.0 億円 | |
用地取得費 | 約 4.5 億円 | 約 3.9 億円 | 約 0.6億円 | *1 |
医療機器等整備費 | 約 9.9 億円 | 約 9.9 億円 | *1 | |
情報システム整備費 | 約 7.9 億円 | 約 7.9 億円 | *1 | |
什器購入費 | 約 1.0 億円 | 約 1.0 億円 | *1 | |
事務費等 | 約 3.1 億円 | 約 3.1 億円 | ||
移転費 | 約 0.9 億円 | 約 0.9 億円 | ||
合 計 | 約 97.7 億円 | 約 83.2 億円 | 約 9.5億円 | 約 5.0 億円 |
出所:野洲市「市民病院整備の概要について」
野洲市民病院整備 基本構想・基本計画書 ‐案‐ 令和4年2月作成 (PDF:4.9MB)(令和4年3月18日更新)
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