千葉県立病院新改革プランの策定

千葉県がんセンター

千葉県病院局では、国の新公立病院改革ガイドラインを踏まえ、県立病院事業の経営改善に取り組むため、平成29年度から平成32年度を計画期間とする「千葉県立病院新改革プラン」を策定した。

県立病院の現状と課題

  • 平成26年度にがんセンターの腹腔鏡下手術による死亡事例が問題化したことや、佐原病院を始めとする医師不足等の影響により、平成26年度以降は経常赤字が続いている状況。
  • 収益改善を図るためには、医療安全対策の徹底による県民の信頼回復や、医師不足の解消等が重要。
  • 老朽化・狭隘化が問題となっている、がんセンターの新棟建設や、救急医療センターと精神科医療センターの一体的整備、佐原病院の耐震補強工事等が必要。

経営の効率化

ガイドラインでは、平成32年度までに病院局全体で経常収支黒字化を達成することが求められているが、平成32年度以降、大規模投資に伴い減価償却費が数十億円規模で増加することが見込まれ、計画期間中の経常収支の黒字化は極めて困難な状況。

  • 平成32年度時点で約24億円の経常赤字の見込。
  • 現段階の試算では、平成37年度を目途に病院局全体で経常収支の黒字化を達成する見込み。

千葉県地域医療構想

千葉県全域における平成 37 年の必要病床数は平成 27 年度の病床機能報告に対し、病床数全体では 3,231 床不足が見込まれている。

機能別病床数推計(推計)

  • 高度急性期 986 床:不足
  • 回復期 10,757 床:不足
  • 慢性期255 床:不足
  • 急性期 8,065 床:過剰

再編・ネットワーク化計画(主なもの)

(1)救急医療センター、精神科医療センターの一体的整備

県内唯一の高度救命救急センターである救急医療センターは、精神科医療センターとともに施設の老朽化・狭隘化や、高齢化に伴う身体・精神合併救急患者の増加等への対応が喫緊の課題となっていることから、この2病院を統合して整備し、全県対応の救急・災害医療ネットワークを構築する。
なお、精神保健福祉センターを同じ建物内に整備することにより、精神保健医療福祉の円滑な提携を図る。


(2)香取海匝圏域における医療提供体制のあり方

香取市では、国保小見川総合病院の建て替え整備を進めるとともに、地域医療のあり方についての検討を行っており、また、隣接する成田市では、平成29年4月に国際医療福祉大学が医学部を新設し、平成32年に640床規模の附属病院の開院が予定されている。こうした地域の医療提供体制を踏まえつつ、県立佐原病院が現在担っている地域医療の役割を果たせるよう耐震性を確保するとともに、安定した医師確保により地域の医療提供体制を確保するため、県内の大学医学部、地域の公立医療機関等とネットワークを構築していくことが必要。


(3)循環器系疾患の全県(複数圏域)対応型医療提供体制のあり方

循環器病センターは、循環器病に係る高度専門医療を提供するとともに地域の一般医療も担っている。市原医療圏や隣接の山武長生夷隅医療圏に相次いで救命救急センターが指定されたことを踏まえ、これらの医療機関との役割分担と連携に係るネットワークについて関係者と協議を進めていく。

経営形態の見直し

公立病院の経営形態は、地方公営企業法(全部適用)、地方独立行政法人、指定管理者制度、民間譲渡の4つの選択肢が考えられるが、千葉県病院局では、平成16年4月から地方公営企業法(全部適用)により病院運営を行っている。

平成 26 年度時点の公立病院数

  • 地方公営企業法(全部適用)…360 病院
  • 地方公営企業法(一部適用)…382 病院
  • 地方独立行政法人(非公務員型)…80 病院
  • 指定管理者…80 病院

地方公営企業法(全部適用)は、採算性と公共性を同時に確保する手段として期待される一方で、職員採用や予算編成等の面で制約があり、病院の運営方針に基づく、自律的、弾力的な経営が困難な側面がある。

全国でも平成26年度現在、360病院が全部適用を採用している。今後の方向性としては、現状の経営形態(地方公営企業法全部適用)を基本に、経営の効率化に努め、将来的には「地方独立行政法人」への移行も視野に入れて継続的に検討。

各県立病院の概要

  • 千葉県がんセンター(341 床)…診療部門を臓器別診療科目に分け、また発がんの仕組みや悪性腫瘍に関する研究を行う研究所を設け、臨床部門との緊密な連携を保ち高度な診断・治療を行う。
  • 千葉県救急医療センター(100 床)…千葉県全域を対象とする第 3 次救急医療施設。独立型救命救急センター。県内唯一の高度救命救急センターとして広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒などの特殊救急疾病患者の救命救急医療も行う。
  • 千葉県精神科医療センター(50 床)…精神救急ケースに 24 時間 365 日、切れ目なく対応することを主たる任務として設立。入院した急性期患者は退院まで治療し、退院後の在宅ケアもフォローアップ。
  • 千葉県こども病院(224床)…一般医療機関では対応困難な先天性疾患をはじめとした特殊又は専門的な医療を必要とする小児の疾患の診断・治療、それに付随する相談及び指導や小児医学向上のための研究・調査を行う。
  • 千葉県循環器病センター(220 床)…循環器疾患に対する救急を含めた高度専門医療を担い、各種脳疾患に対するガンマナイフ治療(放射線治療)、難治性てんかんに対する外科的治療、大動脈弁狭窄症へのカテーテル治療(TAVI)などを行う。
  • 千葉県立佐原病院(241床)…救急基幹センターとして救急医療を担うなど地域の中核病院としての急性期医療を担うとともに、訪問看護ステーション及び地域包括ケア病棟を開設。急性期から在宅看護までを支援する「地域包括ケアシステム」の実現に向けた中心的な役割を担う。

出典:千葉県立病院新改革プランの策定について
   「千葉県立病院新改革プラン」の概要(PDF:216KB)
   「千葉県立病院新改革プラン」(全文)(ZIP:5,576KB)

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