京都中部総合医療センター 新棟は50床減の414床

京都中部総合医療センター新棟整備基本計画
京都中部総合医療センター新棟整備基本計画

京都中部総合医療センターは、新棟整備の具体的な施設機能の要件などを取りまとめ、基本計画として公表した。令和4年3月に病院の目指すべき将来像、新棟の整備方針、新棟の規模や機能などの方向性を定めた新棟整備基本構想を踏まえたもの。

自院の意向を反映するため整備手法は設計施工分離

昨今の医療や社会を取り巻く環境が大きく変化している中で、今後、設計・施工を進めるうえでそうした変化に対応すべく必要となる変更等にも工事費等を見据えたうえで柔軟に対応しつつ着工以降の変動要素を少なくすることが特に重要であることから、各段階での状況を踏まえた病院の意向を反映していくため、設計施工分離方式(従来方式)を採用する。設計は基本設計と実施設計を一括発注。

診療棟と既存病棟の改修

本館診療棟と第一病棟は、それぞれ建築から45年、32年が経過しており、施設の老朽化が著しく部分改修では対応が困難となっており、本館診療棟側エリアの施設を全面移転・建替える。

建替え場所については、現地での建替えが敷地面積上の制約、来院用駐車場の確保、近隣騒音等の問題があり困難であると判断し、第二病棟側エリアへの移転建替えを計画。

また、八木駅西口ロータリーからの利便性に配慮し、第二病棟東側に新棟を建設するとともに、一部機能(腎センター・教育研修センター・院内保育所等)を有する別棟を第二病棟西側に建設する。

新棟整備に合わせて、既設の第二病棟の改修工事を実施し、施設の一体的整備を図る。

医師宿舎や職員用駐車場については、周辺敷地内に別途整備する。建替えに伴い必要となる用地について、第二病棟周辺に必要な約20,000㎡(建設用地及び来院用駐車場用地)の用地を取得する。

京都中部総合医療センター 新棟建設地

病床数は414床へ50床減

病床数は現病院347床を297床と50床削減。回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟等を合わせ、総病床数は414床となる。

病床機能新棟開設後現状(許可病床数)
一般病棟(高度急性期・急性期)297 床
(うちICU8 床)
347 床
(うちICU8 床)
回復期リハビリテーション病棟51 床51 床
地域包括ケア病棟52 床52 床
感染症病床  4 床  4 床
結核病床10 床10 床
合      計414 床464 床

標榜診療科は現状維持

診療科構成については、現在の31科を維持する。

内科、外科、整形外科、呼吸器内科、小児科、耳鼻咽喉科、眼科、産婦人科、放射線科、皮膚科、歯科、泌尿器科、精神科、麻酔科、リウマチ科、歯科口腔外科、循環器内科、小児外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器内科、血液内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、脳神経内科、リハビリテーション科、病理診断科、肝臓内科、消化器外科、乳腺外科

部門配置案(断面図)

新棟の1階は救急、放射線、内視鏡、健診など。外来は検査機能と合わせ2階に配置される。3階にはICUと合わせた高度急性期病棟が配置され、4階が手術機能。5~6階に病棟となる。7階は感染症の拡大時に対応可能な病棟を設置。屋上にはヘリポートが設置され、1階救急へ直通エレベータで搬送される。

京都中部総合医療センター 新棟断面図(案)

令和 8 年度当初の新棟開設予定

新棟整備事業のスケジュールは、令和7年度末の新棟建設工事の完了、令和8年度当初の新棟開設。合わせて別棟の建設工事、既存施設の第二病棟の改修工事及び周辺整備工事等を行う。

京都中部総合医療センター 新棟建設スケジュール

新棟整備事業費は190億円

建築工事費は約127億円、設計管理費や用地取得費、医療機器整備等を含め総額は190億円規模の事業となる。

項 目概算事業費
建築工事費約 127 億円
設計監理費約 6 億円
用地取得費約 10 億円
周辺整備費約 4 億円
医療機器等整備費約 38 億円
解体費約 5 億円
合 計約 190 億円

出所:京都中部総合医療センター新棟整備基本計画