一部事務組合下北医療センターは、むつ総合病院の実施設計概要を公表した。デザインコンセプトは、「ジオホスピタル ~公園と融合した大地のホスピタル~」と壮大なもの。『下北半島から生まれる”Only one”の健康拠点』、『1億5000万年の歴史を刻む下北の「大地」』がサブコンセプト。設計は内藤建築事務所。
病院と公園の一体整備
かなり攻めたコンセプトだが、実際には、むつ総合病院と隣接する金谷公園を「新時代の健康拠点」として一体的に整備し、金谷公園とむつ総合病院が、「やわらかくつながる『かたち』」として計画に組み込まれている。
アゲハチョウがモチーフの新病棟
外観コンセプトは、さらに飛躍した「こころの風景」として、アゲハチョウをモチーフとし、愛郷無限の美しいむつ市を全方位享受できるデザインとしている。
さらに驚くことに、心の風景であるアゲハチョウは、コンパクトシティむつ市の象徴である夜景景観「光のアゲハチョウ」としても輝くとのこと。「生命力」、「復活」の象徴でもある光のアゲハチョウの中に新病棟の光のアゲハチョウが浮かび上がる夜景をむつ市のシンボルとして、世界に発信するそうです。
新病棟の病床数は330床
フロア構成は地下1階から地上5階の6層。総病床数は330床で、救急やICU、手術室を1階に配置。一般50床が4看護単位、地ケア・回リハをそれぞれ30床、最上階は産婦人科、小児科、女性専用病棟としており、かなり女性にフォーカスしている。
地層がモチーフの外観デザイン
外観デザインは、1億5,000万年前から現在までの歴史を刻む下北の大地に建つジオホスピタルの名にふさわしい、地層を取り込んだデザイン。時間をかけて積み重なった地層をデザインモチーフに、下北の長い歴史を感じられる外観デザインは地層好きにはたまらない仕上げとなっている。
むつ総合病院 新病棟は2026年開院
22年7月公表の基本計画では、新病棟は2026年12月に開院予定であったが、1年後の23年7月の実施設計では約3か月遅れて2027年4月頃の開院予定となっている。
概算事業費は4割増の269億円
新病棟の延べ床面積は24,539.49㎡に対し、概算事業費は約269億円の試算。2023年7月の基本計画時点の196億円から73億円と約4割増し。
工事内訳 | 概算事業費 ‘23.7.20 | 概算事業費 ‘23.7.20 |
---|---|---|
建設関連費 | 160 | 233 |
設計・管理費 | 6 | 9 |
建設費(※) | 154 | 224 |
医療機器等整備費等 | 34 | 34 |
その他 | 2 | 2 |
合計 | 196 ※1 | 269 ※2 |
※1:事業スケジュール及び概算事業費については今後の実施設計を進めていく中で、今般の世界情勢により、事業スケジュールの遅れ、概算事業費の高騰も予想されます。アスベスト撤去費は含んでおりません。
※2:事業費:令和5年6月現在の金額であり、今後、物価高騰など、社会情勢の動向により変動する可能性がある。スケジュール:令和9年度の供用開始、令和10年度の事業完了を目指すが、諸々の条件変更により、工期が変更になる可能性がある。
出所:一部事務組合下北医療センターむつ総合病院新病棟建設基本設計 概要版、一部事務組合下北医療センターむつ総合病院新病棟建設事業実施設計(概要版)、むつ総合病院 新病棟建設に関する情報
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