陽子線がん治療センターを建設中の中部国際医療センターで、陽子線がん治療システム「プロビーム」が搬入された。導入する陽子線治療装置は米バリアン社製で日本では初導入となる。
- 鉄筋コンクリート地下1階地上2階建て
- 延べ面積1,460㎡
- 事業費数十億円
- 陽子線治療は水素の原子核である陽子を病巣に照射し、がん細胞の位置で止まるよう制御して最大のエネルギーを放出させることができるため、がんへ集中的に照射でき、他の組織への影響を抑えることができる
- 副作用もほとんどなく、通院で治療が受けられる
- 肺がん、肝臓がん、膵臓がんなどの治療が可能で、小児がんや局所進行性前立腺がん(転移を有するものを除く)など一部疾患は保険適用
- 2023年夏に開設予定。年間250~300人の治療を予定。
バリアン プロビーム
バリアンの「ProBeam® 陽子線治療システム」は2017年に日本で製造販売承認を取得済み。
- 初めて完全に統合された強度変調陽子線治療(IMPT)が可能であり、より効率的な適応陽子線治療を実現
- バリアンのペンシルビーム スキャニング技術により臨床医は腫瘍への線量を精密に管理し、正常な組織に対する線量を最小限に
- コーンビームコンピューター断層撮影法(CBCT)との組み合わせで、ProBeamシステムは治療の過程で高度な画像誘導適応治療を可能とし、より正確な陽子線治療を実現
- 陽子線治療では正常な組織への障害と潜在的な副作用のリスクが低減
- 陽子線が患者を通過する部分すべてに照射されるのではなく、腫瘍患部にエネルギーが正確に当たるよう制御される
- この治療法は小児がんのみならず成人のがんにも有効と考えられている
- 超伝導サイクロトロン
がんを治療するための強力な粒子線加速器です。 - ビーム輸送系
IMPT に必要とされる小さなビームサイズを形成し、そして全エネルギー範囲にわたり非常に小さなスポットサイズを使用することができるように陽子線ビームを収束、整形して治療室へ輸送します。 - 360 度回転ガントリ
360 度回転するガントリによりどのようなガントリ角度からでも患者さまの再セットアップを行うことなく、画像取得および治療を行うことができます。 - 患者治療室
治療台の周りにはスタッフや設備のための十分な空間があります。
中部医療センター概要
社会医療法人厚生会中部国際医療センターは、2022年1月に開院。幅広い診療科に亘る一般医療と循環器病センターなどの特殊医療を提供する基幹病院。国際水準の質の高い先進的な医療機関を目指している。
がん専門部門として、消化器がんセンター、肺がん治療センター、前立腺がんセンター、乳癌治療・乳房再建センター、頭頸部がんセンター、皮膚がんセンター、通院治療センター(化学療法)、がんゲノム診断・診療センター、中部がんゲノム医療研究センター、陽子線がん治療センターを設置。
名 称 | 中部国際医療センター Central Japan International Medical Center |
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所在地 | 岐阜県美濃加茂市健康のまち一丁目1番地 |
診療科 | 33科 |
病床数 | 502床(ICU10床・HCU10床・一般436床・回復期46床) |
手術室 | 11室 |
敷地面積 | 約114,675㎡ |
延床面積 | 約59,516㎡ |
建物規模 | 免震構造(一部耐震構造) 地上10階+ヘリポート |
出所:中部国際医療センター、Varian
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